Logicの純正プラグインのみでレトロ感作ってみる

サードパーティ製のシンセのレビューでレトロな質感いいねとか、サードパーティ製のエフェクターのレビューでレトロ加工の具合いいねとか何度か取り上げてきましたが、サードパーティ製品を買わずとも純正プラグインだけでレトロ感出せるんじゃないか。
なーんて思ってたら今日、急きょ時間ができたので(束の間かもしれん)、実際試してみようと。お茶濁し記事? …そうかも。

シンセ

何でもいいんでしょうけど、レトロと名前のついてるからにはとRetro Synth使ってみます。
今回は、今ちょっと気になってるVOSIM的な音になる(✎参考 NI Reaktor – Creating a VOSIM Oscillator – YouTube)、TABLEのFORMANTというモード。

Logic "Retro Synth"
Logic “Retro Synth”

汎用性を確かめたいのでフィルターとLFOは使わず、FORMANTモジュレーションを適宜、デチューン(CENTS)を-15セントほど、それとエフェクトにCHORUSを設定しました。

ん、まあ…ひとまずこれで。

欲をいえば、オシレーターボリュームの分解能がもっと粗くて、減衰時にジャギーっぽさがあったほうが「らしく」なるんですけどね。
でもそんな機能を持った音源、自分で作らない限り無い。

ぐらつき

音程のぐらつきを出すのにはシンセ内蔵のLFOを使うのが一般的ですが、シンセでなくレコーディング機材の不安定さを真似たい(つまり質感も変動させたい)ので、シンセ外のエフェクト、ここではTape Delayをモジュレーションとして使ってみます。

Logic "Tape Delay"
Logic “Tape Delay”

Delay Timeを0、MODULATIONを大体の感じで設定して、Smoothingを中位に、そんでCHARACTERで少し歪ませつつ、Low CutとHigh Cutをほどほどに入れ、Wet100%に。
CHARACTERのTape Head ModeのDiffuseは面白い効果が出るんですが、Dryが0%の場合音像がただボヤけるだけなのでここではCleanに設定。
Spreadは、音が痩せ気味に聞こえる-7に(-7〜-5、5〜7辺りの設定値だと低域が薄くなる)、FEEDBACKはその音痩せを少し取り戻すような具合になる12%に設定。曲のミックスにも関わってくる辺りなので調整の余地ありとしておきます。
Clip Thresholdはもっと強くてもいい。がっつり歪ませたくなるとこですけど、これも今の段階では調整の余地を残しておいたほうがいい。

案件次第ではこれで完成でもイイかもしれんです。

ざらつき

Tape Delayの前に、ほどよく歪んでほしい帯域に絞ってPhaserかけたら音がざらついて面白かった。
元の音色によって合う/合わないがありそうなので、万人にお勧めはしません。少なくともリズムパートには向かないでしょう。

Logic "Phaser"
Logic “Phaser”

ちなみにLFOを止めたモジュレーションエフェクトって、Logic再起動後など音が変わってしまう(理由は簡単だけど割愛)ので、本来あまり使うべきではない。ただ、いったんバイパス(OFF)にした後は必ず同じ音になるので、活用性ありと考え使うことにしました。

MP3だとわかりにくいかもですが、少しノイズ感が加わってます。

AUGraphicEQを2個挿して同じ帯域をそれぞれブーストとカットしてゴミを残したり、高い周波数域にレゾナンスのピークを持っていった上でEQで切り落とす、みたいな手法は今回の目的には合致しませんでした。

AURoundTripAACをわざとインサートに挿してMP3プレビューさせた状態でエフェクトかけるという手法もアリだけど、思ったほど音が劣化してくれないので、それならいったん質の悪いMP3にバウンスして貼り付けたほうがいいかもしれない。

というか、純正AUプラグインをLogic純正とみなしていいかは疑義ありですね。

圧迫/飽和感

入力過多気味の潰れ感がほしくて、オーバードライブとコンプの組み合わせを試してみたものの今ひとつしっくりこなかったので、Phat FXをPhaserのさらに前に挿してみました。

Logic "Phat FX"
Logic “Phat FX”

BASS ENHANCERは入力値にシビアなエフェクターパーツなので音色次第で使うか使わないか選んだほうがよさそう。
DISTORTIONはDiodeを少々、COMPRESSORはVintage FETをやや浅め、MASTERはInputを少し煽ってOutputを絞りました。

飽和した歪み感を上乗せするならDISTORTIONでなくCOMPRESSORのAmountかMASTERのInputとOutputのバランスで調整していくほうが雰囲気が出ました(好みによると思うが)。

シンセに関しては以上をひな形とし、ミックス時に他の音色とバランスを取っていくことになりますが、その帯域を調整するにあたってはここで使った各エフェクトの設定値でまず調整するのがよさそう。EQはその後の微調整用。

ベース

よくある、16分でシーケンスが鳴りっぱなしのベースパートはこのように。

Logic "Retro Synth"(ベース用設定);FMかPDっぽい音がよかったけど妥協
Logic “Retro Synth”(ベース用設定);FMかPDっぽい音がよかったけど妥協
Logic "Tremolo"
Logic “Tremolo”

投げやりですがまたRetro SynthのTABLEでいきましょう。
Side Chain(通称)っぽいポンピングはTremoloで代用できるのでこれを使っちゃいます。

音色的には時代さかのぼり過ぎましたな。これ、もう、Herbie HancockのChameleonやんね。

ドラム

ミックスしてみたら思った以上に古っぽさが出てしまい、若き日の自分のデモテを思い起こしていたたまれなくなったので、載せないことにします。

ミックスの際に行なったのは、ミックスバスを作り、そこに冒頭のTape Delayを移動して曲全体の速度がぐらつくようにしたくらい。

Logic "Drum Machine Designer"
Logic “Drum Machine Designer”
Logic "Space Designer"
Logic “Space Designer”
Logic "Phat FX"(ドラム用に調整)
Logic “Phat FX”(ドラム用に調整)

ドラムに関してはLogicに最初から入ってるNeonがレトロ感あるんで、それをさらにPhat FXくぐらせて、Space DesignerでGate Reverbを人力で作ってやります。
パーツごとにマルチアウトして調整してもよさそうですが、今回はむしろダメな感じを出したいのでこのままいきます。

Phat FXに見える「Lo-Fi_Ooparts」って設定は以前自分でLo-Fi用に作ったもの。
一般にレトロ感を出すのにBit Crush系のエフェクターが使われますが、嘘臭く聞こえたり、やっつけ感が出るので僕はふだん使わんのです。
今回においてはドラム音色の減衰時にチリチリしたノイズを出すためにPhat FX内で使ってます。

まとめ

この間の記事(「凡庸な手法」 – makou’s peephole)でのいわゆるメガホン加工って、中域残してカットして少し歪ませるって手法で代用しますよね。メガホンのImpulse Responseも巷にありますが、以前コンボリューションリバーブについて記したように微調整が困難で、思った効果が得にくいんです(特にボーカルパートは歌詞が聞き取れなくなるとほとんど意味ないので、微調整が困難だと困っちゃう)。
似た調子で、手元の純正プラグインいわゆるストックプラグインだけでもある程度は雰囲気出せると確認できました。決め打ちに近いサードパーティ製のものを使うよりもむしろ自由度が高いですしね。そのぶん時間がかかるにせよ。

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