ジャズっぽくする

先に言っておくと、自分も”どジャズ”の畑の人ではないので”っぽく”という言い方になります。聞くのは大好きですけどね。
最近立て続けに聞かれたので、ちょっと整理しておこうかなと。

この間、仕事で作ったのはジャズ風味を持たせたポップな3拍子曲で、コードとメロディーラインにそういった雰囲気を加えたもの。リズムに関してはフレーズを借りつつ存在感を消しました。無くてもいいんじゃね?ばりの。

どう順序立てて書いていいかわからんので、思いつくまま。

和音の積み方と動かし方ですが、自分がいちばん影響を受けたのがMike Stern辺りのギターに顕著な4度積み(4th interval build)で、内声なり外声を半音または全音動かすだけでエコノミックに響きを切り替えられます。ドロップ・ツー&フォーっていったほうが正しいのかも。

ズージャーっぽいコードの響き

ズージャーっぽいコードの響き

こういうエコノミックな和音になるとテンションノートが増えるせいか、慣れてない人には少し覚えにくいようです。パートが多いとアベイラブル・ノートの管理が煩雑になるんですが、でもものは考えようで、ジャム感を出すならシビアにしない、譜面音楽っぽさを出すならシビアにするって割り切ればいいかなと。
ちなみに僕自身は4度積みならぬ5度積みってのを某所で「秘密の森」「リーユの心音」として試してます(たぶん僕がやるくらいだから、既に何かしら手法に名前が付いてると思う)。一度使い出すと癖が抜けない9度が必然的に混入してしまうので、無闇にそうならないよう結構頭を使います。なお、演奏上4度積みも5度積みもワイドストレッチになりやすいので、両手の割り振りも考慮します。
追記140602:4度積みを元にしたハーモニーをQuartal Harmony、5度積みを元にしたハーモニーをQuintal Harmonyというようです(cf. Quartal and quintal harmony – Wikipedia, the free encyclopedia)。

積み方に関して補足。ルートノートを鳴らしたくなると思いますが我慢。上に載せた譜面でもルートノートを弾いておらず、にも関わらず錯覚気味にルートノートが聞こえてくると思います。たぶん、これってコンテキストみたいなもんで、そういう積みの時はルートノートがこう鳴っているって感覚が喚起されるのではないかと。

和音とスケールに関してもう1点。リディアンドミナントを、使い過ぎなくらい使ってます。
もともとは、ラテンバンドをやっていた頃に、やたら多いなと気付いたのがきっかけ。使う場としてはダブルだろうがセカンダリーだろうがドミナントモーション起こすそこかしこ。その部分のコード表記にフラット5thが使われてるのをよく見かけますが、僕は大体シャープ11thで書きます。オルタード(スーパーロクリアン)の感覚が身についたら前者を書くようになると思います。まだ感覚としてはリディアンドミナント止まりな自分。
追記:リディアンドミナントとオルタードは裏の関係のスケールになるんですね。

次。メロディー的なこと。
ズージャー以外の制作時にはいいとこブルーノート止まりとなる経過音に比べて、ズージャーっぽく作る際にはシャープ5thとフラット9thをけっこう使います。むろんケースバイケース。あくまで自分の認識では、この使い方がうまいかどうかでカントリーになるかジャズになるかが決まります。
最近の自分に多いのは、この経過音に追随するハーモニーを付けて、場合によってはルートを含む和音自体それに追従させ、譜面音楽っぽくするパターン。それをシンセのサウンドで組み立てたのが先日作った曲で、「あー、結構面白いな」と思いました。
どこまでコードトーンを追従させるか次第では、B/C(D7(13)-9omit1st/CでもCm∆7-5でもいいだろうけど)のようにコードネームがエラいことになります。
ちなみに演奏時、逆にCとしかコードネーム書いてない箇所でそうした連動的な響きを鳴らすと、いいボーカリストやいいメロディー楽器演奏者、いい観客は意外と気付いてくれるので、もちろん相性はあると思いますけど、やり過ぎない程度に試してみるといいです。

リズムに関してはあんま書くことないですね。
なんでもかんでもシンバルレガート(これ、和製英語くさいな)にしちゃわないってのと、打ち込みでブラシングはほぼ無理ってのと、自分が思っている以上に反復性(リフ性)を大事にしないとただ落ち着きないだけのものになってしまうってのと、そんなとこじゃないでしょうか。

ベースのランニングに関しては、自分もまだアレコレ試している段階で、あまりベースと思って組み立てないほうがよさそう。
コードの変わり目でルートを必ず鳴らしてしまいそうになりますが、他のパートと呼応しつつどういうラインを辿っていくかで全体の流れが形成されていくと思われるので、あまり低音域からの下支えって部分を意識しないほうがいいかもしれません。