Logic Pro : 二胡っぽくSculptureで作ってみる

いつだったかLogicのEXSに二胡( Erhu )の音が加わったんですが、どうもコレジャナイ感。
ちなみにいま僕の環境で出せる二胡/胡弓の音は、EXSのそれらと、EastWest RAのErhu、EastWest GoliathのErhu(RAと実質同じ)、RolandCloudのSRX WORLDのErHu。
ソロの擦弦楽器まで選択肢を広げると、Chet Singerによる異常にコントローラビリティの高いReaktorのSerenadeもあるんですが、そこからErhuっぽくするまでは意外としんどかった(先日それで納品したものもある)ので今回はなし。

しょうがないのでLogic純正の、昔からあるSculptureを使ってみます。

Logic : Sculpture
Logic : Sculpture

Sculptureはですね、よくできてるといえばよくできてるし、イマイチといえばイマイチな、掴みどころのない音源No.1だと思うのです。説明もしにくい。

ひとまずデフォルト設定(環境によっては違うかもしれない)でよけいな設定を切っていくために、上のスクショの赤で囲った部分、いわば飾り付けを全部切っていきます。Resolutionは全開(つまり右端側に)に。
赤丸をつけ損ねましたが、右端中段のLevelの右下にあるMid Frequencyも全開にしときます。

要は、左端1〜3でボウイング(擦弦)の演奏手法を作って、中央部のMaterial部で弦の材質を決めて、右下のModelで共鳴体(筐体)を定めてやれば二胡っぽくなるのでは…つまり、こう!

こうしてやる!
こうしてやる!

Object1だけ、Bowに設定。
このTimbreは値が大きいとカスカスしてしまうので抑えめ、Variationは値が大きいと多少クリアになるので上げめ、いちおうVelocitySenseは全開にします。
擦る位置(左端中段、ホームベースの形に数字が入った部分)とピックアップ(左端中段、横向きのフェーダーで図中に山なりの白いゾーンが表示されている部分)は実際の楽器の弦と弓の位置に倣い、左側がヘッドと考えて右寄りに設定、ピックアップ位置は右端に設定しました。
ピックアップはともかく、擦る位置はハーモニクスが発生しやすい位置にするとハウりやすい。ウィンドウ右端に鎮座するLimiterが抑制してくれますが、いったんハウっちゃうと演奏できたもんじゃないので、なるべくハウらない位置にピックアップ位置を設定するのが得策。
それでもピーク超えてしまう場合に備えて(プラス、少し音色をキツくしたい)、中央上部にあるWaveshapeで歪みを加えます。

Materialは、100%Nylonにすると音がこもっちゃうので少しSteelに寄せます。
比較的単純な楽器なので、Materialに関しちゃそんなにいじることもなく、とりあえず倍音がそれっぽくなるように調整。

筐体は二胡に近いものを選びます。
プルダウンリスト内には高域が死にがちなモデルが多いので、高域が強めに出るようにそれぞれスクショのように設定しました。
それでもまだ高域が足りなく感じたのでSculptureのあとにVintageTubeEQを挿します(説明割愛)。

こうだな。
こうだな。

ビブラートがほしい。
お仕着せのビブラートの仕組みの存在を忘れてたので、LFO1でビブラートをかけてみます。
擦弦楽器はビブラートの強弱とビブラートの速度に相関関係がありがちなので、ModWheelを通じて連動…しかしながらLFOの速度を変える設定がSculpture内に見当たらなかったので、MIDI FXのModifierを使って再現します。

Sculpture側のLFOのデフォ値を4.9Hzにして、ModifierのScaleとAddを調整。これでModWheel1つでLFO速度とDepth両方が連動するようになったはず。

この設定で簡単にノートとModWheelなど打ち込んでみたのがこちら。
まあまあ我慢できるレベル。

ポルタメントレガートでピッチがおかしくなる場合があったり、ポルタメントの形状に対数以外の選択肢がなかったりなので、しいていえばMPEに対応してくれるとよさそうだな…とそこまで考えて、だったらiPhoneアプリか何かで演奏するのを収録するほうがラクなんじゃねーの?と気づきました。
なので、チャレンジ日記として綴りはしたものの、Sculptureの機能の解釈のしかたを知る記事として読んでいただいたほうがよかったかもしれません。