Logic Pro : Arpeggiatorを利用したギターストローク

MIDI FXのScipterにGuitar Strummerというのがあるので、それを使うのがラクです。

とある件で話が持ち上がったギターのストロークの打ち込みの話。
わかってる人も多いと思いますが、ギターのコード弾きには低音弦側からガッと掻き下ろして弾くダウンストロークと、高音弦からガッと掻き上げて弾くアップストロークとがあって、このストロークがうまく打ち込まれていれば、本物のギターじゃなくてもわりと’らしく’なるもんです。

MIDI FXを使う

Guitar Strummer (MIDI FX)
Guitar Strummer (MIDI FX)

いつしかMIDI FXの中にGuitar Strummerが加わっています。上記いずれも面倒といえば面倒なので、MIDI FXを使用することに抵抗なければ活用するとよいかと思います。

クオンタイズしてQ-Flamを設定する

LogicProX Inspector上のQ-Flam
LogicProX Inspector上のQ-Flam

ストロークによる音程間の時間差を打ち込むには、LogicのInspectorでクオンタイズを設定した上で詳細配下のQ-Flamを使うと便利。
ただ、1リージョンに対するQ-Flamってオルタネート(=アップとダウンが交互)なストローキングには対応しておらず、一方向のストロークのみの実現止まり。
時間をたっぷりかけて、個別にノートをナッジさせる方法もあります。

単一のインストゥルメントに対してアップストローク用とダウンストローク用の2つのトラックを用意してQ-Flamを使う
単一のインストゥルメントに対してアップストローク用とダウンストローク用の2つのトラックを用意してQ-Flamを使う

同一のインストゥルメントを複数のトラックで鳴らす

ダウンストロークとアップストロークで2トラック用意して、かつその2トラックで同じ音源に結線しておくことができます。
ここでいう同一とは、次の2通り。

  1. 同じ設定のインストゥルメントを複製する
  2. 単一のインストゥルメントに対して複数のMIDIトラックを使う

2は地味にわかりにくいのですが、ミキサー上で表示される単一のチャンネルストリップに対して、メインウィンドウでは複数のトラックを使うという手法で、Logic Pro Xだとトラックメニューの「その他」から「同じ音源を使った新規トラック」を選ぶことで可能。
同一トラックの同じ箇所にアップとダウンの2つのMIDIリージョンを重ねて置いてもいいのですが、すこぶる視認性が低いので、この手法をとります。

ちなみにスクショではダウンストローク時に低音弦、アップストローク時に高音弦を優先的に鳴らすべくノートを削っていて、発音数を抑えることで負荷軽減&音圧抑制しつつリアリティも出しています。
※最終的にリージョンパラメータを「すべてのパラメータを永続的に適用」いわゆるノーマライズして「接着ツール」でマージしてあげると、実データとなります。

サードパーティの音源だとストローク機能が備わってるものもあり

Vir2 Electri6ity
Vir2 Electri6ity
NativeInstruments Kontakt5 (Band > Akkord Guitar)
NativeInstruments Kontakt5 (Band > Akkord Guitar)
MusicLab RealLPC
MusicLab RealLPC
AmpleSound AmpleGuitar M
AmpleSound AmpleGuitar M

緑色で示した部分にストローク(実際に音を鳴らすので”Strum”)と示されていて、やはり色んな音源を見てもストロークをある程度利用してデータ作成するのが有用なのだとわかります。

Arpeggiatorでできるかどうか

と、ここまでが前置き。これをLogic Pro XのArpeggiatorでできないだろうかってことで、力ずくでやってみました。

Alternate Stroke using Arpeggiator 01
Alternate Stroke using Arpeggiator 01
Alternate Strumming using Arpeggiator 02
Alternate Strumming using Arpeggiator 02

ウィンドウ下部のKEYBOARDのREMOTEを使ってC0とC#0のキーをアルペジオ方向のアップ/ダウンの切り替えにアサイン、そしてアルペジオのPATTERNをGridに設定して適当な長さ配置して途中からOFFにします。あとSustainの設定がデフォだとLatchになっているためこれをOFFに。これにより、音程が移るごとにNoteOffが発効されるのをSustainで回避していることになります。ベロシティ利くんかな?
やってみたわりには、実用性がう〜んという印象
せめてもう少しRateを上げられるとイメージに近付けられそう。あとウクレレなんかは音程の並び順序が違うんで厳しそうですね。

アルペジエイターは、MIDI FXに昇格した現行のLogicより前だとエンバイロメントの中で使えて、それを上手く結線してLogicを録音状態で走らせることによってMIDIの実データ化できたはず。
Logic Pro Xになって、エンバイロメント機能は環境設定で詳細モードをONにすることで使えるようになるわけですが、たぶん同様にMIDI FXの結果をMIDIの実データ化することができるのではと思います。