Logic Pro : 簡易グリッチ(Stutter)

Glitch Hopが流行って以降グリッチの意味合いが変わっちゃいましたが、ここでは元来のグリッチつまりファイルを技術的にいじって壊したり、雑音をわざわざ収録して使うなどの加工方法。
今回は音が途切れ途切れになる Stutter を手短にやる手法。

しょせんお手軽版なので、基本的な壊しのみ。

元ファイルからの処理を並べた。
元ファイルからの処理を並べた。

処理した順に並べました。

  1. Cuban Timba Drumset 10(何でもいい)っていうApple Loopsのファイルが元ネタ
  2. 32分音符で等間隔カット(option+はさみツール)
  3. 変換>新規サンプラートラックに変換(control+E)

そんで、MIDI FXスロットにScripterとそれを変化させるModulatorを2つ挿します。

Scripterなど挿す
Scripterなど挿す
Scripterの設定
Scripterの設定
Modulatorの設定
Modulatorの設定
Modulatorの設定
Modulatorの設定
元のMIDIリージョンは、NoteOffのオーバーライド予防にゲートタイムを少し短く設定
元のMIDIリージョンは、NoteOffのオーバーライド予防にゲートタイムを少し短く設定
こっちはサイドチェーンのソースに使うオーディオデータに対するインスペクタの設定(これ自体もグリッチ効果ある)
こっちはサイドチェーンのソースに使うオーディオデータに対するインスペクタの設定(これ自体もグリッチ効果ある)

ScripterにはStutter V2を読み込んで、ModulatorでLFOの送信先を「Learn Plug-in Parameter」し、それぞれStutter V2のRANDOMIZE!とGroup Selectを指定します(Learnにした後そのパラメーター箇所をクリックすればOK)。
あとは適宜MIDIのフレーズやEXS24のパラメーター、ModulatorのOutput LevelとOffsetなど微調整を加えていって妥協点を探すとよいかと。
だいたいこんな感じの音になります(スクショよりもパラメーターは調整加えてあります)。

簡易グリッチ

ScripterにはStutterとStutter V2とあって、どちら使ってもいわゆるバズ(秒間40回以上つまり40Hz以上で同じ音OR波形が繰り返されると、別の新たな音色として聞こえる)を生成します。
ScripterはMIDIを使用した処理であり、命令が繰り返される速さ次第ではNoteOff位置が次のNoteOn位置を超えることがあって、これにより「次のNoteを前のNoteOffが止めてしまう」オーバーライドが起きてしまう可能性があります(DAW間でSMFを書き出し〜読み込みするときよく起こる「一部の音が鳴ってない」原因の一つ)。
予防としてインスペクタでゲートタイムを短くしておく処置を施しておくのが賢明かと思います。
ただしそれでも、レイテンシーや分解能の影響で同期ズレが発生して音が鳴らなくなってしまう可能性もあるので、まあまあなものができたらトラックフリーズをかけるなりインプレイス(「リージョンを所定の位置にバウンス」)しちゃったほうが負荷軽減にもなって良いと思います。

音を断片的にしたいなら、ダミーのトラックにオーディオファイルを読み込んで(アウトプットはオフ)、なおかつそのFlex機能をOnにした上でクオンタイズをかけちゃって、そのトラックをサイドチェーンのソースに設定したNoise Gateをインサートしてあげるのも面白いかもしれません。