Klevgränd “Revolv”
Klevgrändの新作Revolvは、同社の置かれるスウェーデンの各地にある史跡や施設の音響特性をIR形式でキャプチャ、再現するリバーブレータ。Oscar BjörkによるEchoes of Our Timesというプロジェクトに基づいて集積されたデータらしい。
機能、操作性
100以上とされるIRデータが同梱されたソフトはダウンロードサイズも大きいのでは…と思ったのですが、1分もかからずデモ版のダウンロードが完了。デモ版の収録数が限られているわけではなさそうで、IRデータは何らかの方式で圧縮されているか簡略化されているかもしれません。
インターフェースは3種類の表示状態があり、データ選択とエディット(UADのRealVerbを想起させるインターフェースではありますがシンプル)を行う画面、および各ロケーションに関する情報の表示画面があります。
収録内容としては、ベタ(といってはアレだが)なホール等もあれば、ランウェイやバスルームなど、海外では独特の残響を得るためによく用いられるものもあって、面白さは充分にあります。
先日リリースされたToontrackのState of the Art(State of the Art SDX | Toontrack、ソフト音源 「SDX – STATE OF THE ART」 | SONICWIRE)だったか、スタジオの外階段の下にマイクを配置したシグナルが用意されていたり、かつての洋楽アルバムのレコーディングにおける同様のエピソードが山ほどあります(それこそ、こうした話こそライナーノーツに掲載され、それを読むのが自分にとって楽しみの一つだったのだけど、すっかり完成品と作家のマインドばかりが話題に上るようになってしまっています。間違いではないのだけど、作品の奥行きが軽視されるのには少々歯がゆい思いがあります)。
実際の使用例は上掲のSoundCloudのデモでも聞けて、良質であり、そそられる部分は確実にあります。