【終了】Keyboard Magazine (海外)

2016年12月をもって日本のDTMマガジン誌が紙媒体として終了した(cf. 23年の歴史に幕。DTMマガジンが休刊に : 藤本健の“DTMステーション”)。
DTM担当の講師で、書籍執筆の経験もある僕としても、何か秒読みの始まった感覚がある。
と、海外の Keyboard Magazine 誌も42年の歴史に幕を降ろし、Electronic Musician誌と合併するらしい。

Keyboard Magazine Dead At Age 42

Synthtopiaの記事を要約しておく。

オフィシャルのアナウンスこそないものの、オーナーであるNewBay Media社が各所に2誌合併の旨を報告した。
曰く、新しいElectronic Musician誌はアーティストやプロデューサーが現代音楽に注ぐ技術に焦点を当てることになっている。
キーボードを創作の第一歩として用いるミュージシャンを相手に、レコーディングやプロデュース、演奏の解説やレッスンなどまとめて届けることになる見込み。

40年にわたり、今をときめくプレイヤーへのインタビューや奏法解説、採譜編曲、著名人によるレビューなどをフィーチャーしてきた。
有用な記事を求めて読んだ者も多かろう、同誌を愛読するのはある種の通過儀礼と言えよう。

コメント欄に寄せられたものでThumb Upが多く付いたものも紹介。

超ショック! ネットでタダで読める様々な情報群が紙媒体を殺していったんだな。
容易に手に入るものばかりで情報誌なんか成立するもんかね。

あのセクシーな機材の写真群に購買欲を焚き付けられたのは俺だけじゃあるまい。

キーボード誌には今の道を貫いてほしかった。
洞察に優れたライターや有能なスタッフの今後の活躍を祈る。

バックナンバーを揃えるほど好きだったが、90年代に質が落ちて読むのをやめてしまった。

Webでの広告や宣伝ってのはプライバシーにグイグイ踏み込んできて鬱陶しいもんだが、Rolling Stone誌なんかはWebのマルチメディア性を活かしていてイイと思ったね。

あー、最近まで編集者だった者だ。
たしかに視覚と聴覚の連動はオイシイ魅力で印刷媒体だと難しいことだよね。

ミニ鍵キーボードのプレイヤーとか、パッドを叩くプレイヤーは増えてきてるけど、キーボード誌は本当のキーボードプレイヤーの育成にもっと寄与できたんじゃないかな。

いやぁ、昔のイカしたプレイヤーだって、新しいキーボードをインスピレーション用途ってよりビジュアルとして使ってたと思うよ。

ついさっきまで件の雑誌で編集者をやっていた者だが、(訳注:ここからしばらく自己紹介なので省略)キーボード誌はまさしく40年の蓄積を備えていたし、本職から技術を学べる場所だった。
どうかネガティブにばかりならず、私の今の居場所であるEM誌を楽しんでほしい。
同誌はほぼすべての記事をWebで簡単に読むことができる。

情報の元となるメーカーやアーティストはWebでどうバズらせるかってとこで戦略を立てている昨今なので、メディア側もWebって形に追従せざるを得ないとは思うのだけれど、速報性やマルチメディア性、アーカイブ性に長けている一方で誤報にめっぽう弱かったりマネタイズの手法が少々乏しいのも事実で。

コメ欄で色んな角度からこの報道に言及されているのが印象的だ。
とはいっても、やたら目につく「誰それの表紙はセンセーショナルだった」という修辞に、コメンテイターたちのレトロスペクティブ感があまりに強く滲んでいる(「ネットが紙媒体を殺した」って言い回しだって何度見たことか)。
そうしたバイアスを差っ引いた上で、彼らの反応を読み解いていかねばなるまい。

当のSynthtopia自体もWebメディアであり、コメントの量から見ても一定の信頼を確立できていて、当人(編集者)からのコメントも付いている。
因果な印象を禁じ得ない。

国内でも、電子書籍やWebメディアに絡む話題は最近3年くらいでも結構の数があったなあ。

参考:

アメリカの電子書籍“ブーム”は終了しましたので

「紙 VS デジタル」で語るのは時代遅れ、コピペ全盛時代のネットメディアの価値とは