Initial Audio “Sourcelab”

Initial Audioから久しぶりの新製品、Sourcelabなるソフトシンセがリリースされます。
Initial Audioといえば、以前ウェーブテーブルシンセSektorがSerumのオルタナティブになるかと思いきや、(あくまで個人的な見解ですが)イマイチ決め手にかけていたのが記憶に残っています。
が、今回はバーチャルモジュラーシンセの醍醐味を存分に注ぎ込んだらしく、少し期待できそう。
動画の人物がどうもAI臭いというコメントに同意するところではありますが。
Serum2やCurrentその他の最近のソフトシンセのように、複数の音源を備え、シーケンサーを内部に備えたハイブリッドなシンセのようで、上記動画に続くDeep Diveに機能詳細が取り上げられています。
使いこなせれば、かなり有効なツールになるだろうと推測できます。
が、Serum2への巷の食いつきの鈍さ、Currentの今一つの振るわなさを見るに、多機能性の風潮にユーザーが追いつけていない感がちょっとしますね。実際に食いついている層にそんな傾向が全くないのは言うまでもありませんが、「凄そう」に「難しそう」が伴われちゃうと動いてた食指も止まってしまいそう。
たびたびこの日記で話題にしてるのはインターフェースのこと。モジュラーシンセに馴染みのある層はそこまで迷わないと思いますが、そうでない人にとっては、プリセットがどれだけフレキシブルであるか(つまり内部をいじらなくて済むか)がけっこう大事だろうと思ってます。マクロノブの搭載がもはや定番になっているのも関係してそう。
どこを押せばパネルが拡張されるのか、ルーティング済みのケーブルを引っこ抜くにはどうしたらいいか、そういったインターフェースはまだソフトごとにまちまち(というか結果的にそれぞれが見習うようになる見本、あるいは何らかの形で提唱される原則がまだ現れていない気がする)。これは私とてタイパを懸念せざるを得ないんですよね。
といったことを考えると、玄人向けのソフトシンセだろうなと思います。
理想は見た目が簡単そうで、掘ると深いもの。その面ではシンプルモードみたいなインターフェースを備え、プリセットのバリエーションをマクロのみでこなせる仕組みになっている大手のソフトシンセが何だかんだよく考えられてることになります。
とはいうものの、一定規模のクラスターに確実に受け入れられそうな気はしています。