インド楽器の日本語表記

夕方ごろにふと思い出してtabla beat scienceでzakir hussain(ザキール・ハッサン)らと共演していたkarsh kale(カーシュ・カーレイ)の動画を見てたんですが──

ドラムンベースやブレイクビーツとの相性いいですよね。この映像は生ドラムですが。
後半、圧巻な演奏で魅せるバイオリンみたいな独特の楽器、何て言うんだっけなあと思ったらサーランギsarangi)というそうで。36本の共鳴弦で残響が作られるとのこと。

英語版Wikipediaによるとムリダンガムmridangam)やパカーワジュpakhawaj)を2つに分けて生まれたのがタブラで、2個1セットのうち高音がタブラ(俗称ダヤン)で低音がバヤン。

そういや、この手の民族楽器の名称を日本語で調べるときって読み方がわからないとか綴りがわからないパターンが多いので、自分のメモも兼ねて、目についたものを整理してみようかなと。

タブラのような打楽器の部類にドーラクdholak)、マダルmadal)、ドゥンベクorダラブッカorゴブレットドラムgoblet drum;ドゥンベクは地域によってはドゥンベキと訛るそうです)、ジュンベク(これはドゥンベキとジャンベとが合わさったようなもの)。
壷みたいなやつ。北アフリカのウドゥ(udu)の部類とまとめちゃうと怒られるかもですが、ガタムghatam)。
アイリッシュで使うボゥラン(bodhrán)やトルコで使うベンディール(bendir)みたいなフレームドラムの類いにはカンジーラkanjira)とかダフ(duff;トルコだとdaf)。

弦楽器はさきほどのサーランギのほか、シタールはよしとして、
タンブーラtamboura)、サロードsarod)、エスラジesraj)、ヴィーナveena;フレットのあるものとないものがあるみたい)。

あと笛。バンスリbansuri)、シャハナイshehnai)。
どちらかというとバンスリのほうが知名度高そうなのに、何故かかつてGM音色にはシャハナイのほうが収まってたのはたぶん音の特異性がシャハナイのほうが高かったからかも。
ちなみに、かつてシャハナイって当て字するとスオナ()じゃないのかしら、つまりチャルメラ(ciaramella;これ自体はポルトガル語らしい)では?と思ってました。
ジューズハープjaw harp / jew’s harp)やムックリといった口琴に類するムルシン(morsing)。
ハーモニウム(harmonium)…は一緒くたにしないほうがいいのかな…?

それと、口タブラと言われるように、リズムを口唄するのはボール(Bol)というそう。この英語版Wikipediaのボールの項からコンナッコール(konakkol)にリンクありますが、違いがよくわからず…(ボゥラン(bodhran)奏者にもコンナッコール好きな人がいるんですね→Glen Velez | Zarbukka)。ボールからのリンクに日本の”口唱歌”が上がってるのも興味深いです。

口唱歌といえば、別名義で活動してたほうの友達で中国に留学(だよね?)してた方がいらっしゃって、僕が大学の時に短期留学してた先と同じ大学だとわかってエラく親近感が沸いたんですけども、その方は在中中に古琴(guzhengかな)を習っていたんですね。
先日「Twitterのアイコンが不思議な文字のスナップショットになってますけど、これ何?」って聞いたら、「よくぞ聞いてくれました。古琴の奏法を漢字一文字っぽく表したもの、すなわち譜面である」と。
どのように音楽を伝えていくかっていうのに、音程や音色、楽器の使用部位といった多次元的な情報が必要になるわけですが、色んな部品を集めて一文字で表すことのできる漢字(もどき)ってことのほか有用なんだなと思ったのでした。