Impact Soundworks “Camellia Concert Grand”, “Magnolia Studio Grand”

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Impact Soundworks “Camellia Concert Grand”, “Magnolia Studio Grand”

Camellia Concert Grand by Impact Soundworks (VST, AU, AAX)
Camellia Concert Grand by Impact Soundworks (VST, AU, AAX)
Magnolia Studio Grand by Impact Soundworks (VST, AU, AAX)
Magnolia Studio Grand by Impact Soundworks (VST, AU, AAX)

Impact SoundworksからCamellia Concert GrandとMagnolia Studio Grandがリリースされました。最近いろいろ出しますね、Impact Soundworks。
今回もNFRをいただいたので、簡単にレビューしつつ記していきます。

機能、操作性

Camellia Concert Grandは、旧製品Pearl Concert Grandで使用されたYAMAHA C7ピアノとその収録場所で再度新しい録音技術を試しつつ収録されたもの。

Pearl Concert Grand by Impact Soundworks (VST, AU, AAX)
A beautifully-recorded Yamaha C7 piano virtual instrument with four microphone perspectives, realistic pedal behavior, and a gorgeous, versatile tone!
Pearl Concert Grandの詳細情報ページ
Impact Soundworks社製 ソフト音源 「Pearl Concert Grand」の製品詳細情報ページです。

Pearl Concert Grandは決して劣った製品ではなかったのですが、個人的には決定打に欠ける印象がありました。
今回は、ピアノロボットに委ねてベロシティを12段階に分けて収録したようで、さらに独自開発によるスペクトルフュージョン技術を用いて自然なベロシティ変化を実現するようにライブラリーを構築したとのこと。思いのほか上手くいったため、このYAMAHA C7とSteinway Model L(2005年に製造終了となったモデルらしい)の2種類を販売することにした、という流れ。

ピアノ音源はいま飽和状態にあり、品質や使いやすさもピンキリ。
往々にして、使いやすいほど自由度は低く、カスタマイズ性能を上げると使いにくくなるもので、この両製品については、使いにくくもないがある程度のカスタマイズ可能性を備えている、中間的な位置づけかなという印象です。

あとは、だから、そのカスタマイズとやらがどの部分に対してどのように備わっているかがキーになってくるわけですが、Serum 2のマルチサンプルモードで利用できるほか、まれにほかの製品でも見られる、キーとサンプルの関係性をずらすことによって音の明度をコントロールする手法がこのライブラリーでは採用されています。
単純には音の明るさが変わると同時に再生サンプルのサンプリングレートにも影響が出るわけですが、以前書いたことがあるようにKontaktは意外(失礼)とその辺りがよくできていて、高音でサチることも低音でガサガサになることも基本的にはありません。

ほか、ペダル関連にもケアが行き届いて面白いのですが、それ以上に「おっ、やりおったな」と思ったのは、88鍵それぞれに対してパラメーターをバラバラに調整できる点。
Rhodes MusicのRhodes 88 Proなんかではそのような機能が搭載されていましたが、Kontaktライブラリーで実現しちゃってるのが面白い。
チューニングはもちろんとして、エンベロープやベロシティセンスも調整できるので、少し今までとは違ったプリペアドピアノ・ライクなサウンドでピアノ曲を作ってみようってニーズに応えてくれる代物になるのではないかなと。
むろん出来ることには限界もあるので、何でも可能とは言いません。

ちなみに、チューニングに関してはオクターブ範囲で決めることもできるし、もう少し増やして15キーを1オクターブとみなして設定することもできそう。
惜しむらくは、ほかのKontaktライブラリーでもたしかにマイクロチューニングに対応した製品があって、それらがnkaファイル等で設定を保存したり読み込んだりできるのに対し、おそらく本製品は独自のスクリプトでこの機能を実現していて、設定を書き出したり読み込んだりできないところ。
ただ「現状は」なので、いずれこの機能の有用性が面白がられるようになると、機能追加で対応する可能性はあります。

何にせよ、位置づけ的には「新しい手法を試した最初の2製品」という括りになりますので、厳密な実用性の面で頼りきれない部分はあるかなと思います。つまりピアノ音源でよくある、単音はいいが和音になると違和感がある、というやつ。
とはいえ、そこかしこがAIで省力化だ実用性の追求だと盛り上がっている中、少なくともImpact Soundworksは、旧来のスタイルながら、おそらく界隈で最も精力的に製品開発に勤しんでいるデベロッパーの1つと言えます。どんどん色んな実験をして、画期的な機能を実装した製品を生み出していただきたいですね。