制作環境での不具合回避の基本的な考え方(初歩)

制作環境で不具合などが発生した場合について言及をあまり見かけないので、手短にだけ記します。
属するコミュニティやシチュエーションによる差異は今回無視します。

分岐

自分にわかりゃいいので、番号リストでもいい
自分にわかりゃいいので、番号リストでもいい

基本的に「”分岐”を正しく辿れば正しく動作する、”分岐”のどこかに問題があれば正しく動作しない」と考えておくといいと思います。”分岐”がわかりづらければ、”手順”と考えてもOK。
この”分岐”にはユーザーである自分が把握できるもの(操作など)と把握できないもの(プログラムなど)とがありますが、自分が把握できる限りでよく、それも多ければ多いほどいい。

起きた不具合は自分の手で解消できるといちばんイイ。
そのために、”分岐”のいちばん最後、つまり問題が起きる直前の操作を第一に検証し、解決しなければ手前の”分岐”にさかのぼるのを繰り返すことで原因を突き止めます。
結果、それさえ避ければ不具合にかち合わずに自分の望む工程をクリアできることにもなります。

たとえば何かのプラグインを挿して操作している間に音が出なくなりましたよと。
どこまで手戻りするか考えどこではありますが、最初に行うべきは、直前に行なった動作を取り消してみるということ。特定のノブをいじったのであれば、それを戻す。
自分の行った操作を全部覚えておくのは流石にしんどいですから、慣れぬうちは大きな変更を加える操作だけ覚えとけばいいです。いずれ、不具合の起きやすい操作、シチュエーションってのがわかってきます。

※こうした”経験”に頼るのは野性的すぎるなんて見方もありますが、経験っていわば莫大な情報やロジックを抽象化したり超高速処理したりして、よほど見当違いな情報処理をするのでさえなければ、軽視するほうがもったいないと思ってます。

対応

次々と分岐をさかのぼっていき、確実に特定の操作で問題が起きることがわかった(再現性)なら、その不具合が発生するような手法を思い切って諦めるか、もしも同じような結果を得られる別の手法が思い描けているなら路線変更します。
そして、もしこの操作が変則的でなく、誰もが行う操作であり、自分の環境だけでなくきっと他の人の環境でも起きるだろうと思ったなら、しかるべきところに不具合発生の報告をします。
これが、少なくともふだん自分がやっている不具合対応です。


原因が特定できないことや、原因が使用DAWだったり、相性の問題だったり、自分で把握しきれないことなんて日常茶飯事です。そうしたとき、棚上げしてしまっても決してマズいことではありません。


だから”選択肢”

よく、この日記で”選択肢”という表現を用いている理由の一端はそこにあります。
便利なもの、欲しい音、やりたい表現が必ずしも常に問題なく実現できるとは限りません。それなりの割合の人が、今まで誰もやったことのない表現を目指して少々の無茶をして音楽づくりをしているでしょうからね。
何かがダメな場合や、わずかでも不満がある場合、妥協しても別に誰に責められるでもないのですが、乗り越えねばというときには、別の選択肢が必要になってくるわけです。不満が多ければ多いほど、選択肢も多く必要になってくるといえます。