Melodyne の「泡」が表示されない原因 5つ

「 Melodyne 表示されない」の検索ワードがあったので、ここでまとめときますね。LogicのARA対応Melodyneの場合です。

ちなみにMelodyne(ARA)は通常のMelodyneとは違ってインサートスロットの最初に挿す必要があります。Melodyne(ARA)のすぐ次にEQなどを挿して、EQをドラッグしてMelodyne(ARA)の前に移動することはできますが再生するとLogicごと強制終了してしまいますんで気をつけましょう。

個人的にLogicでのMelodyne(ARA)の使用はお勧めしません。

原因1:未再生だ

再生するまでは読み込まれません。

Melodyne(ARA)をインサートしてすぐの状態
Melodyne(ARA)をインサートしてすぐの状態
ちょっとでも再生すればすぐ読み込まれます。
ちょっとでも再生すればすぐ読み込まれます。

原因2:非表示だ

Melodyne自体のモノラル/ステレオを切り替えたときなど、分析済みのblobsが非表示になってしまうようです。
スクショで○をつけた部分をクリックしてみてください。

blobsの表示、非表示ボタン
blobsの表示、非表示ボタン

もちろん複数のトラックをまとめて表示することもできるので、作業効率アップに活用いただければと。

原因3:オーディオリージョンがミュートされてる

ミュートされたオーディオリージョンに対してはblobsが表示されません。

このような状態(2トラック目)に対するMelodyn(ARA)の表示は
このような状態(2トラック目)に対するMelodyn(ARA)の表示は
このようになります
このようになります

原因4:リージョンの使い回しをしている

リージョンの使い回しを行なっている場合、後ろのポジションに配置したリージョン分のblobsだけが表示されます。これを避けるには、同一のフレーズであっても同一リージョンは使わず、option+ドラッグまたはオーディオウィンドウ内のメニューから「新規リージョンを作成」を選んで、同一範囲に対する別リージョンを使うようにします。

1個目のリージョンを最後にもう1度貼り付けた場合
1個目のリージョンを最後にもう1度貼り付けた場合
先に登場する方は表示されない
先に登場する方は表示されない
同じ範囲のリージョンでも別リージョンとして作れば
同じ範囲のリージョンでも別リージョンとして作れば
Melodyneには表示されるようになる
Melodyneには表示されるようになる

原因5:Rosettaモードになっていない

バージョン5.2でなお、MelodyneはRosettaモード環境下で使う必要があります。
非Rosettaモード環境下でもTransferボタンを押す(つまり通常のMelodyne同様に)使用することは可能ですが、修正後、何かの機会にこのプロジェクトファイルをRosettaモードで起動し直した場合には再解析が始まってしまうなど、状況によっては惨事を招いてしまうので、おかしいなと思ったらトラックフリーズをかけて音だけは保護するなど対策したほうがいいと思います。

Why do I still have to use Melodyne 5.2 in Rosetta Mode with Logic Pro?

Although Melodyne is Apple Silicon compatible beginning with version 5.2, it can’t operate in Apple Logic Pro as a native ARA plug-in.


Melodyne 5.2 runs natively on Macs with Apple Silicon processors. In the case of ARA operation in Logic Pro, however, there’s a special point to bear in mind:

When Apple Logic Pro is running natively on Apple Silicon, it loads Audio Unit plug-ins outside Logic’s own process space. This is actually an important advantage for users, as it prevents Logic Pro from quitting whenever a plug-in crashes. Unfortunately, although this method of hosting AU plug-ins enhances stability, it does not yet fully support third-party extensions like ARA.

If you want to enjoy the advantages of ARA despite this, you can open Logic Pro under the Rosetta emulation layer (using the Finder, locate Logic Pro in your Applications folder and right-click on it, choose “Get Info” and check the option “Open using Rosetta”). This will allow plug-ins to run directly within Logic Pro, as they did formerly on Intel Macs, making it possible once again for you to work with ARA.

We are working closely with Apple on this issue and will let you know immediately as soon as there are any news.

FAQ

ちなみに…

ちなみにリージョンをクロスフェードさせた場合
ちなみにリージョンをクロスフェードさせた場合
このように(画面左端)両方のリージョンのblobsが表示される
このように(画面左端)両方のリージョンのblobsが表示される

↑リージョン同士クロスフェードをかけた場合、Melodyne上には両方のリージョンのblobsが表示されます。短いクロスフェードなら問題ありませんが、長いクロスフェードをかけると混乱するのでやめたほうがいいでしょう。

リージョンインスペクタでディレイさせた場合
リージョンインスペクタでディレイさせた場合
リージョンがかぶさる箇所があればそこで切れる
リージョンがかぶさる箇所があればそこで切れる

Logicのメインウィンドウのリージョンインスペクタを使ってリージョンの発音タイミングを遅らせた場合、Melodyne内には発音を遅らせた状態のblobsが表示されます。Melodyne(ARA)がどのように何を処理するのかわかる好例ですね。Melodyneで編集したあとにリージョンインスペクタをいじったらどうなるかは怖いので試してませんが、ディレイさせるくらいなら問題起きないんじゃないかなと思います。

テイクコンピング時には
テイクコンピング時には
このようになる
このようになる

テイクコンピングを行ったリージョンについては、テイクを選んだものが貼り合わされた形で表示されます。こちら、仮にテイクを一本化しても結果は変わらないと思いますが、1ファイルにマージしまった場合にはMelodyne(ARA)の中身が初期化される可能性があります。
そういった辺りも含めて、バックアップを残す仕組みを持たないソフトは怖いので、ARAでないMelodyneを自分は使うようにしています。