HD Vinyl なるものが登場するらしい

オーストリアのRebeat Innovationなる会社が、 HD Vinyl (ハイ・デンシティ・バイナル)なるものを2019年には市場に投入する見込み。

HD Vinyl To Hit Stores In 2019 After $4.8M Investment

You could own ‘HD vinyl’ by 2019

HD Vinyl - Vinyl Technology, Ultimate Sound, HD Schallplatte | HD Vinyl
HD Vinyl – Vinyl Technology, Ultimate Sound, HD Schallplatte | HD Vinyl

オフィシャルサイトの説明によると、

こうして従来のLPレコードより高音質、大音量、長時間の音源を記録し、S/Nも良し、おまけにダブ・プレートやマザーといった中間過程を経ずレーザーで一発加工を行うので従来の製法で必要とされる素材を削減でき、製造工程中のコピーによる劣化も抑えられるとのこと。

How Vinyl Records Are made (1956) RCA Victor Film
How Vinyl Records Are made (1956) RCA Victor Film(アーカイブ)

10月にデトロイトで開催されるMaking Vinyl Conferenceでの船出に向けてこの秋にはテストスタンパーを工場に配備。来夏には実際の製品をショップに並べるという目論見のようです。

価格や生産量など思うとこはありますが、技術としては面白いと思いました。

先日タモリ倶楽部で高価なレコードプレーヤーが取り上げられ、最後に紹介されたレーザー式のレコードプレーヤーはたしか160万だったかと記憶してます。普及版としても80万くらいだったか。
HDバイナルは市販の低価格な再生機器でも鳴らせるという触れ込みですが、おそらくそれで性能を充分に活かすことはないように思えるんで、当面、お財布にゆとりのあるマニア向けのメディアの域を出ない気がします。ポテンシャルをフルに活かしたメディアともなるとその劣化を防ぐ保管方法にも最新の注意が必要になりそうですからねえ。
高音質をより安価で楽しめる環境もしくはメンテのラクな再生環境も同時に登場してくれたなら状況は変わるかもしれません。

なおHDバイナルは100kHzまで記録できるそうなので、ポテンシャルを活かそうとしたらマスタリングには192kHzの環境が必要になりそうですよ。