Gorilla Engine (2)
以前、取り上げたGorilla Engine。2,3日前からニュースで見かけるようになったと思ったら、クローズドだった開発環境が一般のデベロッパーにも開放されたから、ということらしい。

もともとはHans Zimmerなどの作曲家やujam自社の製品開発に使用されてきたオーディオエンジンで、これまでは特定の企業感でのみ提供されていたものが、外部の個人デベロッパーや小規模スタジオでも利用可能になっています。
注目すべきはKontaktからの移行機能が備わっており、
- Kontaktの設定を自動で引き継ぎ(luaスクリプト経由とのこと)
- Kontaktのようなエンジンを使わず独立したプラグインとして使用できるようになり
- KSPに近いGorilla Scriptが採用されているため、デベロッパー自身の移行が非常にスムーズになっている
それどころか、
- プログラミング知識を使わずにモジュール形式のGorilla Editorを使い、GUIのデザインだけで完成に漕ぎ着ける場合も
- MPEに対応し、NKS規格にも対応しているためKomplete Keyboardsもそのまま使用し続けられる
- Product Hubがソフトのライセンス管理、インストーラーの配布までサポート
こうしたところが、Kontaktの先行き不透明な今、一気に衆目を集めるに至ったと見られます。Gorilla Engine自体が今を好機と見たのかも知れませんし、もしかすると公式に、Kontaktがこれに引き継がれる可能性もなくはない(非常に可能性は薄いが)。
SYNTH ANATOMYの記事によれば、テスト、リリースも容易である、と。
趣味、プロトタイピング用途であれば無償利用可で、商用にはPro, Enterpriseオプションが用意されているとのこと。
Kontaktの仕組みに大きく依存し、場合によっちゃ途轍もない量の製品を送り出してきたHeavyocityやSoundironなど大手/老舗のサンプルライブラリーデベロッパーのこれからの動きも気になりますし、仮に彼らの製品がGorilla Engineに移行した場合にそのユーザーが移行手数料を取られるのかどうかといったところも気になります。
追記
SDKをダウンロードして、どういう感じのものなのか少し触ってみました。
Kontaktよりはシンプルだけれども、きっちり時間が確保できる人にとってはかなり使いやすそうである一方、片手間でできるほどのものでもなく、誰でもできるよと言ってしまうと流石に乱暴そうだ、という印象。
ドキュメントの中に、Instrument DesignerとApplication Scripterがどういった知識や能力を持っているのが望ましいかが記されています。それによるとInstrument Designerは少なくともユーザーインターフェースに至る直前までのサウンドの開発に関する知識(サンプラーの仕組み的にサンプル素材がどうなっているべきかを理解していることなど)を持っている必要があるとされています。
スクリプトも書けてインターフェースデザインもできるのであれば一人で組み立てることも可能、ということで考えれば、今やそれが行える人は決して少なくもないかもしれません。
が、ごくごく一般的には、ドキュメントに記されている通り、Instrument DesignerとApplication Scripterとがタッグを組んで製品開発を行なっていくことになるだろうと思います。