グロ フォーリー の作成風景

正しくはゴア(Gore;血溜まり)というべきでしょうが、Goa Tranceと紛らわしくなってしまうので記事題では「グロ」としました。
ゴア・フォーリー( Gore Foley )とでも言えばいいですかね。
CDMでも取り上げられている通り、海外版のVICEで、残酷描写で知られるMortal Kombatの音効制作の現場が取材されています。日本版には記事が見当たりませんでした。

CDMおよび動画中でいうGoryってのはこのゴア(Gore)の形容詞形で、「血なまぐさい」「血みどろ」「血で血を洗う」とか「地獄絵図」とかそんな感じ。

フォーリー系の話題は過去にも何度かこの日記で取り上げてきました。
今回のVICEの記事は一般的な読者(それでもサブカル方面の嗜好が強い人向けだと思う)に対して、ゴア表現における効果音の元ネタが意外に生活レベルのものだ、だけど聞かせ方を工夫することでそれっぽくなりますね、というお話。

率直に言ってリアリティには一定の歯止めをかけていそうに思いました。そうしないと本当にヤバくなるでしょうし。

一方リアリティって、たとえばスライムなんてわざわざ空気が混ざり込むような動きをしなきゃ本来グチャッとは鳴らないし、骨が折れてもメキャッと開放感のある音は基本的に鳴らない(でも指や骨を鳴らす人の音を聞くとエラく響く;考えるべきは、鳴らしてる本人視点の音か第三者視点の音かというとこであり、世のディレクションというのは制作にあたってそうした幾つもの前提を定めるところから始まる)と思うけど、「程度」こそさじ加減であるものの、演出面からすると事実とかけ離れてグチャッだのメキャッだのと鳴らす必要がある場合も多い。
宇宙船の爆発音なんかもそうか。かつては「宇宙空間なんだから聞こえないんじゃないの?」なんて言われたりもしました。

宇宙戦争は静寂の中で行われる!? 真空状態で音は聞こえるのか。映像で音を記録する技術を用いて実験してみました。

以前、雑巾に水を染み込ませて揉んだり捻ったりとグロ系の音を少し作ったら、「大きな音量変化があるため受け付けない」とリジェクトされたことがあります。「そら、そやろ。したたる音なんやし…」と思ったもんですが。
今の音効のテンプレといえる、アナログテープメディア時代の資産って歪んだものが多いですよね。爆破シーンや強風、殴打の音なんかは軒並み、そう(まれにゲイン上げ過ぎてビットが振り切れてるものもあるけど)。今のレギュレーションだとこれもリジェクトされるかもですね。