New Sonic Arts “Freestyle”

VSTホスト界隈が最近賑わってるなと思っていたら、Granite等で知られるNew Sonic ArtsからFreestyleなるプラグインチェイナーがリリースされていた(そのせいで賑わっているのではないと思うが)。

WindowsおよびMac対応。※当サイトではWindows上での動作確認は行わない
MacではAU, VST環境に対応し、MacにインストールされたVSTエフェクトやVSTインストゥルメント(VSTi)を上のスクショのように画面内でパッチングできる。

機能

説明がややこしくなってしまうのでメーカーサイトからデモ版をダウンロードしてもらったほうが早いかと思うが、ざっと試してみた限りのことだけひとまず記しておくと…

  • デモ版は60分使用すると、組んだプラグインチェインが強制的にリセットされる。プラグインデータベースはリセットされない。
  • 画面がだいぶ狭く、サイズを変えられないのでかなりしんどいかもしれない。
    注:New Sonic ArtsのJamesから連絡あり、”Setup -> UI”で変更できるとのこと。然り。
  • Cubaseのプラグインマネージャーでの各プラグインのアクティブ/非アクティブ状態は反映されない。なのでUAD, Waves, TCなどのパッケージを使用している環境の方は注意。
  • AU環境でVSTプラグインを動作させられる。
  • WindowsのVSTをMacで、MacのVSTをWindowsで動作させられるわけではないっぽい。
  • VST3には非対応。したがって、Cubase純正のプラグインのほぼ全ては読み込めないが、Macの場合は以下の方法で幾つかの純正VSTプラグインを読み込ませることが可能。
    • FreestyleのSetupのFavourites VSTのADDボタンをクリックして開くオープンダイアログで、Cubaseのアプリケーション自体を選択(本来はOSの仕様上選択できないが右クリックで「クイックルック」を選ぶと選択状態にできるハックがあるので、ここで「開く」)。
    • 同様オープンダイアログ上にFinderからターゲットフォルダをドラッグしてくる
      • Finder上でCubaseのアプリケーションを右クリックして「パッケージの内容を表示」し、その中にあるVSTPluginsフォルダをドラッグ。
        • 一時的に「よく使う項目」に登録してアクセスしやすくする手もあり。
      • Finder上で「移動」メニューから「/Applications/Cubase 9.app/Contents/」して表示されたVSTPluginsフォルダをドラッグ。
  • インストゥルメントとしてのFreestyleとエフェクトとしてのFreestyle FXとに分かれていて(Reaktorなどと同様)、Validationはそれぞれ別に行われる。
  • インストゥルメントとしてのFreestyle内でVSTエフェクトをルーティングして機能させられる。Freestyle FX内でVSTインストゥルメントをルーティングさせられるが機能はしない。特殊なケースでは機能するものもあるかしれない。
  • Freestyle自体に備わったモジュール

    Freestyle自体に備わったモジュール

    FreestyleにもFreestyle FXにもVSTプラグイン以外にBandSplit, Crossfade, Event Monitor, Event Player, Event Shaper, KeySplit, Mixer, Scopeの機能が備わっている(右スクショ)。

  • 上記BandSplitは4バンドまでスプリットできるので、構造の把握しやすさも考慮すると、以前取り上げたKlevgrändのGaffelを早くも葬らせてしまいそう。
  • 上記Event MonitorにSysExは表示されない。
  • 当然ながら同一のVSTプラグインを重複してつなげられる。
  • Freestyleから開くプラグインウィンドウは複数表示できない。
  • VSTプラグインがプリセットメニューを提供しているものは、Freestyleの画面内でプラグインを右クリックすることでPresetメニューが開く。
  • オートメーションにあたっては1ページ8つ登録可能なマクロコントロールを使用する。ページは大量に増やせるが、実際にDAWで制御するパラメーターはアサインメント・マネージャーで設定可能な128個が上限となる。
  • テンポシンク機能はついているが、動かないものもある。うちの環境ではAudio DamageのAutomatonが走らなかった。
  • サイドチェーンは無理っぽい。

Klevgränd “Gaffel”

要はAbleton LiveのRackみたいなもの…というか”ほぼそれ”が、Logic Pro XなどAUプラグインのみ対応のDAW環境下にも構築できるスグレモノで、ここ最近妙に気になって先日も記したサイドチェーンの視認性の問題をどうにかするヒントになるかもしれない(コレ自体はサイドチェーン非対応っぽいが)。

期待

Logicのエンバイロメント機能はシグナルフローをある程度把握しやすいデキる子だったわけだけど、今やミカン箱を机にして飯を食わされてる居候のような扱いなので、遠からずメジャーアップデートで姿を消すと思われる。
このFreeStyle的な(というかReaktor的な?)機能が備われば…と思いはしたけれども、エンバイロメント機能がそうした扱いを受けている中で実装される可能性は皆無といえる。
それだけに、予想を覆してとてつもないパッチング機能がLogicに実装されたら驚いちゃいそうだ。

ひとまず、この手の仕組みのソフトウェアにしては€129とわりと控えめな価格なので、冒険心のある人は手を出してみてもいいんじゃないかなと思う。

操作性 ★★★☆☆
レスポンス ★★★☆☆
音質 ★★★★☆