“Surge”

CDMをはじめとしたメディアでそっと取り上げられている、フリーウェアでオープンソース、Mac, Windows, Linux対応のソフトシンセ、 Surge 。
さっとだけ試したらエグい多機能やん、これ。

And Surge is a deep synth, even if last updated in 2008. You get an intensive modulation architecture, nearly 200 wavetables, and a bunch of effects (including vocoder and rotary speaker). Plus it’s already 64-bit, so even though it’s a decade old, it’ll play reasonably nicely on newer machines.

Powerful SURGE synth for Mac and Windows is now free – CDM Create Digital Music

CDMやSynth Anatomyによるとそれまでの最新のアップデートが2008年であったけれども、2018年9月にはGPLv3ライセンスの下オープンソース化したとのこと。
晴れて、Mac, Linuxに対応し、MPEにも対応して今に至るということのようです。

Surge
Surge

仕様は下記の通りで、

subtractive hybrid synthesis engine

each patch contain two ‘scenes’ which are separate instances of the entire synthesis engine (except effects) that can be used for layering or split patches.

1010 patches & 183 wavetables

3 oscillators/voice & 8 oscillator algorithms

oscillator FM/ringmodulation

noise generator with variable spectrum

two filter-units with arrangeable with 8 different configurations + feedback loop, many filter algorithms

filter self-oscillation + waveshaper (5 shapes)

12 LFO

DAHDSR envelope generators on every LFO-unit

7 deformable LFO-waveforms + 1 drawable/stepsequencer waveform

8 effect units arranged as 2 inserts/scene, 2 sends and 2 master effects

10 top-quality algorithms: Delay, Reverb, Chorus, Phaser, EQ, Distortion, Conditioner (EQ, stereo-image control & limiter), Rotary speaker, Frequency shifter, Vocoder

Impressive SURGE Synth Is Now Open-Source & Available For FREE!

いわゆるシンプルなアナログタイプからWavetable、FM、リングモジュレーター(と、あとたぶんWindowってのはSyncかと思われ)の機構を備え、ノイジェネのバリエーション、数種のフィルターとLFO、さらにエフェクターと、一般的なシンセが備えてるものをきっちり揃えている、と。
ポリ数は最大64で、Unisonが最大16(Classic/SH Noise)または7(Wavetable/Window)。
スクショでもわかる通り、FMにおけるオシレーターやフィルター、エフェクターのルーティングも変更できます(NI Massiveにも似た機能あるけど、それ以上ですね)。

でも実はプリセットの音を聞く限りだと、ビビッと来ない。
たまに「えっ!?」てのありますけど、ほとんどは黎明期の”しんせさいざあ”の音が少しHi-Fiになったくらいの音で、つまり、プリセット探すだけのユーザーには有り難みが薄く、シンセギークにとっては結構燃える代物ってことになります。
ましてやプログラムいじれる人にとってはオープンソースなのでいじり放題ですね。

SoundCloudのEmbedを貼ってる記事もありましたが、魅力が伝わるようにはまったく思えないので、Synth Anatomyで紹介されているYouTubeの動画を貼っときます。

今っぽいステレオ感を出すためには現状、空間系エフェクトをうまく使っていく他ない気もしますが、いずれ有志が改造したものが出回るかもしれません。
それか、都合よくステレオ化に使えるエフェクトプラグインを別途探してもいいのかもしれません(意外とそういう都合いいステレオアイザーが無いので、過去にこの日記に自分なりの手法を綴ったりしてますけどもね)。

ともあれ、エフェクトのパラメーターやLFOをはじめとして、さまざまな要素がかなり豪快に利くシンセなので、いずれふだんの制作が煮詰まったときの頼みの綱として備えておいてもいいんじゃないかなと思います。

追記:

  • LFOなどモジュレーター部でのBPMシンクはスライダーを右クリックして「Temposync」を選択。
  • モジュレーター大量に使えますが、あんまり多いと同期ズレのリスクがあるっぽいです。