Forever 89 “Topos”

Home / サウンド / プラグインFX / Forever 89 “Topos”

Forever 89 “Topos”

2つの大きめのリリースとお伝えしていた2つ目が登場。
発想が頭を過っても実際に手を出す人が少ない領域ってのがあるわけで。
Forever 89が掲げる「80,90年代のイノベーション再び」って理念は、実体験、原体験のある人に響くもんでして、その実、前作Viscoは「あの頃隆盛したリズムマシンがこんなアルゴリズムを搭載していたら…」って感傷につながるものでありました。一つ一つのサンプル用メモリが小さいことにも邪推を禁じ得ません。
本作、Toposの名にも含蓄をつい読み取ってしまいそう。

本製品、NFRいただく予定あるものの未達でして、現在わかってる範囲の情報でまとめさせてもらいますと、アンプおよびスピーカーのデータそれぞれ30ほどを収録し、(アンプについては定かじゃありませんが)スピーカーのおそらくレスポンスデータをばらまいた平面上をマウスポインタでたどると、複数のレスポンスデータの中間値が動的に拾い上げられる、そんな代物と思われます。
平面へのデータの分散のありようが何か尺度あってのものなのか、それともランダムなのかは不明。後者であればより奇抜な結果が得られそう。
アンプにおいてもおそらく中間値のようなものが得られるのではないかと推測。
つまりは特徴的なサウンドを持つレスポンスデータ、映像で見られるところでいえばLaptopとTweed Bass 4×10の中間のスピーカー特性を入力オーディオに対して適用できることになります。組み合わせによっては「そんな再生環境ありえねえ」って響きが得られるわけですね。

じゃあ、どんなユーザーにこれが求められるのかというと、正直見当がつかない。私のような新しもの好きは反応するでしょうけど。

最近は定番、安心プラグイン一辺倒で、新しい観点のものへの巷の食いつきはあまりよくない。それが悪いこととはまったく思わないけれども、二番煎じ、三番煎じのものや、表面だけ取り繕ったものに少なくとも自分はあまり興味がなく、こうした冒険心には歓迎を惜しみません。
ひとまずForever 89は前作と本作とで共通して中間値に着目したものを開発リリースしており、今後も同様のスタンスで貫いていくのかは定かじゃありません。が、身近な技術のスキマ部分に未開拓エリアが潜んでいることを見せてくれたことは高く評価すべきなんだろうと思います。今後の製品にも期待!