マスタリング・エンジニアに化かされた

先日の記事で取り上げたRecording Revolutionに、How I Was Fooled By A Mastering Engineer | The Recording Revolutionという記事が。
「ヤラレタ!」とでも意訳できる記事が。コメ欄も賑やかです(基本賛成意見が多いですが)。

https://www.makou.com/why-mixing-with-only-stock-plugins-can-give-you-a-better-mix/

 

Production Advice – make your music sound greatというサイト、これもここで取り上げたことがありますが、その主であるIan氏に2つの音源を聞かされてどっちが良いかとたずねられたGraham氏が「最初に聞いたもののほうが低域の伸びもスピード感もあって良いと思う」と答えたら、実は音量がただ1dB大きいだけのものを選んでいた、と。なんだか中国故事ライクなエピソード。

せっかく前の記事で純正プラグイン縛りで云々と書いていたのにこっ恥ずかしい目に…と言いたいところですが、「ヤラレタ!」なんて臆面もなく記事にする辺りとてもド正直でよいです。

もっか僕が作業している曲群もまさしくそうなのですが、(元記事中ではMIXに関してのみの話だけど作曲工程に関しても言えることで)何か手を加えたらサウンドが向上した気がすると、事実か錯覚かその場では判断しきれないことは往々にしてあります。
休憩を取ること、なるべく正確に完成図を思い描くことが重要とされる所以ですね。
ちなみに僕個人の思想、ゆーてもたかだか数年前からの認識ですけども、録音されたものに手を加えてサウンドが向上することはほぼ無いと考えています。せいぜいMIXしやすくなることがある程度。昨日の日記じゃないけど、きちんと録音されていれば、(創造的な加工以外には)手を加える必要なくMIXは完遂できるだろうなって。

Ian氏はダイナミクスを損なうようなLoudness Warに反対するスタンスである、これはこの日記でも散々ト書きつきで紹介してきたことですけども、最初に書いた”1dB上げただけのものが良く聞こえる”エピソードだけ見るとLoudness Warを肯定するスタンスに見えちゃいますね。だけどそんなわけは恐らくないので、実際のこのイベントではもう少し他に文脈が備わった中で語られていただろうと思います。Graham氏が記したのと同様に「だからプラグイン依存に気をつけろ」って内容だった可能性も。

※蛇足ながら、必ずしも僕自身はこうした伝聞エピソードとご本人の導き出す結論を(賛同こそすれ)全肯定することはないです。