Fool Arcana “Picaresque” アルバム

何年か前からたまにメールでやり取りをしている、イタリアのベーシスト Riccardo Oliva が、Fool Arcana の Picaresqueというアルバムをプロデュースし、リリースしたそうなのでご紹介。
彼は作曲とベースも担当しています。

(僕とも重なる)ファンクネスとソウルネスがクロスオーバーチックに盛り込まれ、守りすぎず攻めすぎず絶妙なバランスにまとまっています。
各曲の再生時間から察せられる通り、今どきのせっかちな展開にはなっておらず、間(vamp)を「デザイン」としてどう活かすか、念入りに吟味されているのがわかります。各プレイヤーのテクニックも楽しめるけど、窮屈にはなっていません。
日本人のテイストともアメリカやイギリスのテイストとも違う特有の奥行きと疎密のある空気感(ジャンルによって違いはあるけど、イタリアやフランスの電子音楽も昔からそんな印象がある)で、非常に面白いし、勉強になります。

以前少し書いたと思うのですが、YouTubeでSNIPSというユニットがたまたまレコメンドされ、ピックを使わずに流麗なギターを奏でるMatteo Mancusoを知り、そこでベースを弾いていたのが、まだ若きRiccardo でした。演奏時のリズムの取り方が友人とそっくりだったため、印象に残ってました。
それから何年も経たず、たまたまBandcampで僕のアルバムを買って情熱的なメッセージを送ってくれたのが彼なのです。
Instagramで見ると最近はネオソウルタッチのものも好んで弾いているようで、たぶん今いちばん吸収率の高い時期でしょう。あと何年も経たない間に、ルーツ部分というか木の幹にあたる部分がしっかり太っていくと思われます。