BitWorks “FilterOrgan”

BltWorksなるところから、 FilterOrgan というプラグインがリリースされました。
日本円で4,000円強。

これは、入力されたオーディオに対して、鍵盤の音程に相当する周波数のバンドパスフィルターをパラレルでかけるもの。
大雑把に言ってボコーダーと同じ部類。
取り立てて新鮮な発想でもないのですが、何故か今までほとんどありませんでした。
たしかにレゾナンスの処理は面倒そうですからね。

FilterOrgan audio plugin - polyphonic tuned filters | VST/AU
FilterOrgan audio plugin – polyphonic tuned filters | VST/AU

新鮮な発想でこそないと書いたものの、この動画。ソースとしているオーディオデータがハイ・フィデリティであるためか、あるいはアルゴリズムを細かく調整でもしているのか、出力結果が想定よりもだいぶ垢抜けて聞こえます(この事実は意外と重大で、「ああ、あれね、知ってる、知ってる」って経験値ベースの判断は、その判断の根拠が古かったり変遷/経過のウォッチを怠っていたならばアテにならないことを示してます)。
ともかく、充分なクオリティのオーディオ信号を入力する限りにおいては、それなりに新鮮な効果が得られ、ふつうに現在の洋楽のギミックとしても使えそう。邦楽はちょっと場面を選びそうかな。
ていうか、商業用途の音楽に使うならおそらくわざわざこのプラグインを買わずにReaktorか何かで作ってきちんとその制作者に対価を支払いそうですが。

さて、個人的に気になったのが BltWorks ってどこのメーカーなんだ、と。
FilterOrganのページを見ても、BltWorks自体のページを見ても、それぞれからリンクの貼られたFacebookページを見ても、YouTubeアカウントのAboutページを見ても、K-v-Rページ(https://www.kvraudio.com/developer/bltworks)を見ても特に情報はなく、mailtoのリンク踏んでもSubjectが自動記入されるだけで宛先が入力されず(だめじゃん)。
メーカーページの国別ドメインを見る限りハンガリーっぽいけどこういうのも勝手に取得できるものだからアテにならず、YouTubeのFilterOrganの動画を作ったとクレジットのあるMUe114という人がアップした一部の動画はたしかにハンガリー語で解説が記されていて、FilterOrganより前のCamThereminというソフトウェアのアップロードページもハンガリーのドメインになっていました。状況証拠的にはハンガリー製と考えてほぼ間違いないだろうと思いますが、確実には言い切れません。
物騒な時代なので新興メーカーのソフトウェアを自分のPCにインストールするのは結構勇気が要ります。願わくば、メーカーはメーカーの情報をなるべくきっちり出してほしいとこですね。