Feb.10 – 16【週間まとめ】
NAMMショー一過、今のところ大きな話題はなし。
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雑記と近況
冒頭に記したように、今のところ大きな話題はありませんが、今月下旬にかけて少し大きめな話題が2つほど耳に入ってきています。どちらも「待望の!」って感じでしょうか。レビュー予定。
無料音源、無料プラグイン

半分賛同でもう半分は不賛同。
安全性
個人的な意見として、有償無償問わず無警戒にインストールするのは避けたい。
GoogleChromeのアドオンや、スマホアプリなんかで時たま話題になるように、またMuseScoreが一時期物議を呼んだように、製品が別の開発者に譲渡されて怪しい動作をひっそり仕込まれるようになることが今後ありえなくもないですし、近年見かけるようになってきた通信機能(Webブラウジングを含む)を持つプラグインなんかを無警戒に迎え入れるってのも厳しい。
なお、あまり経験則に頼ったことは書きたくないのですが、たとえば「この機能でこの重さはおかしい」ってのは、開発に携わったことある人間でない限り経験でしか判断しがたい。その面で、無償かどうかで線引きするのも一つの手ではあろうとは思います。
メーカーの存続性、情報源
思えばかつてMac OSXが登場したとき、それまで精力的に音楽ソフト開発、販売をしていた多くのデベロッパーが派手に壁にぶちあたりました。新環境への対応に1年以上かかったとこもあれば、それを機に看板を下ろしたとこも多数ありました。
デベロッパーの存続性って点でいうと、Audionamixのようにある日事務所が急に音信不通になるケースもあれば、2nd Sense AudioのようにPlugin Boutiqueで扱われていても(今はもうないかも)デベロッパーが消息を絶つケースもあります。Tone2のように、ユーザーの不躾な要望に腹を立てて開発をやめちゃうケースもあります。そしてもちろん先ほど書いたように買収統合、あるいは譲渡されるケースも今は日常茶飯事。
ついでに付け加えると、ソフトをインストールすることが利用規約への同意を示す点にもご注意いただきたい。
いずれにせよ、有償だから安心して使い続けられるなんてことはなく(これは元記事の執筆者もわかって書いてると思うけど)、ユーザー自身が安易にOSをアップデートしないとか、何らかの特徴的なソフトがある日突如使えなくなったときの「B案」を常時考慮しておくとか、都合の良い人柱とつながっておくとか、国内外問わず有益な情報源を持っておくとか、そちらを気にしたほうがいいんじゃないかなと自分は思いますね。
刹那主義的なご時世だとそれもなかなか難しいとは思うのですが。
改めてまとめますが、一般論として無償製品に注意しとくことは無駄ではない。だけど、だからといって必ずしも有償製品が安心というわけではないんです。制作環境の保護、維持はあくまで自身の責任です。
近況
有難くも今年に入ってからアレやコレやと制作仕事をぽつぽつと再開させてもらってます。
一時期より遥かに感触が取り戻せてきた感もあるけども、いまだ本調子とは言い難く、「あれ、こういう場合いつもどうしてたっけ?」って局面がありますね。

思うとこあって、LogicのライブラリをSSDに移したら、まあ速い。
この間、書いたと思いますが、サウンドキャラクターにそこまでこだわらなくていい楽曲を作るなら、高いサンプリングライブラリーを導入せずともLogic(などのDAW)純正の音源で間に合います。
HDよりも頑丈さに劣るわりに(ずいぶん安くなったとはいっても)多少割高なSSDに、この仕事に携わるような人が何を保管するべきか考えるなら、必然的に「何らかの事故で失ってもまたDLすりゃ済むサンプルライブラリー」ってことになるかなと。もちろん各々のスタンスによるのでこれが正解とは言いませんが、それでも頻繁にアップデートされるものや、事故ると取り返しのつかないものは危なっかしくて置けませんね。
試しにって感じで、1万円を切った500GBのSSDをUSB type-Cにぶっ刺してますが、手元のサンプルライブラリーは300GBとか絶妙に収めにくいサイズのものが多いので、1TBの買えばよかったかなと少し後悔。2TBだと大事な場面で壊れた場合さすがにちょっとショック受けちゃいそう。
誰それみたいな曲を作れという依頼
全然そんなの平気よって人もいるでしょうし、僕自身も何か切羽詰まってるわけではないので、話題提供程度の話になりますが。
「誰それみたいな曲を作ってほしい」ってタイプの依頼は往々にしてあるのです。ぶっちゃけ、ならその人に直接頼みなよと。
そうでなく自分に頼んでくるのは、そのほうがお値段安いからだったり、いろいろ注文をつけやすいからなんでしょうけど、まあ冷静に考えて、これ、わりと失礼な話ですよね。
かといって、じゃあ依頼する側が相手に完全に委ねるべきか、全部委ねて安心かというと、そうはいかない。とんでもないものを作って寄越されても困るわけで。
また、ある程度どういうものにしたいか相手に伝えるにしても言葉で的確に伝わるとは限らない、ならば「誰それみたいな曲」という言い方をするのは別段おかしなことではない。
問題は、だから、そのように伝える意図が共有されてないことであって、「言葉だと伝わりづらいからレファレンスを送ります」だの「そっくりに作ってほしいわけではない」だのを依頼する側が表明しとくなり、引き受ける側が確認しとくべきなんでしょう(もし、この程度の確認で機嫌を悪くするような人なら、商売相手としては面倒なだけなので切ったほうがいい)。
依頼内容を伝えることで仕事をこなしたつもりになってもいけないし、額面通り受け取ったことで仕事をこなしたつもりになってもいけない。
こういう話題についてナイーブ云々と茶々入れる人もいるけれども、手を抜かずにすり合わせを行って、認識の食い違いを最低限に抑えるのは、感情やマナーの話ではなくプロセスの話なのですよ。
いわゆる「リスペクト」も同じスジの話だと思っていて、それは感謝の品を送るとかあちこちに宣伝して回るとか(そういった低コストな振る舞いで帳尻合わせる風潮を感じるのだけども)、必ずしも間違ってはいないものの、伝えるべきことを過不足なく伝えるなど、万障を排して余計なラリーを省くために充分な配慮をするってプロセスをこなすことが一丁目一番地じゃないかなと思うんですよね。そんだけ真摯に向き合ってくれたなら、それはもうリスペクトの体現だと思いますし。