Exponential Audio’s Michael Carnes on Making Great Reverbs

SonicScoopというサイトで、 Exponential Audio のMichael Carnes氏がインタビューを受けていてわりと面白かった。

Exponential Audio のExcaliburについてはこっそりこの日記でも触れたことがありますが、自身、印象には残ってません。

件のインタビューがどういうものかというと、最初に示されたNimbusのキャプションに記されているのが結局のところ核心で、「コンボリューションリバーブを悠々と使えるご時世になぜアルゴリズムリバーブなのか」という話題。

このMichael氏、クラシックのミュージシャンでありレコーディングエンジニアであり、Exponential Audioの設立者でもあります。ついでに40年間プログラミングもこなしてきたとのこと。
実在の空間を再現できるコンボリューションリバーブの有り難みはもちろんあり、実在の空間だけど実現できない表現、つまりインタビュー中に出てくる例でいうと、立ち上がることもできない高さの海中洞穴の響きをオーディオデータに対して反映する、というのはなかなかにクリエイティブであるけれども、結局、試してダメな響きだったら別なIRと取っ替えなきゃいけないというのが煩わしいじゃん?とのこと。
アルゴリズムリバーブであれば、パラメーターが何を示すのかわかってさえいれば(原文にはないが文脈上そう捉えた)調整すれば済む、というのがMichael氏の見解。
“on the fly”、近年この手の記事でやたら見かけるようになった言葉がこのインタビュー中にも出現していて、「即座に」や「臨機応変」といった融通性を指します。
たしかにコンボリューションリバーブは、秀逸な記録ではあるものの、取り回しが面倒ですもんね。
Michael氏にとって、よくない残響は最良の演奏を毒するものであり、逆にいえば最良の演奏を聞き手に良き経験として伝える残響が必要なのだと。

厳密に言えば、デッドに近い状況でレコーディングした音に対してであれば、コンボリューションリバーブは限りなく現実に近いサウンドとして聞き手の耳に届けられるわけですが、既に残響のあるところでレコーディングされたものやそうした環境下でレコーディングされたソフト音源にさらにコンボリューションリバーブをかけるとなれば、「二重がけ」であるとも言えますね。
もちろん、それも良し悪しだとは思いますけど。

どういった目的、どういった完成予想図を思い描いて何を使うのかは、考えたほうがいいだろうと思います。そうじゃなきゃ、ミックスはいずれ機械任せでいいわけですし。

iZotope Acquires Product Line from Reverb Developer Exponential Audio

iZotopeが、Exponential Audioを買収したと発表しています。 2012年、Lexicon製品の開発にもわっていたマイケル・カーンズ(Michael Carnes)氏によって設立され