Excite Audio “KSHMR Chain”

Excite Audioから KSHMR Chain がリリース。某所ではPlugin Boutiqueからリリースみたいな書き方をしていたんですが、ひょっとして傘下なんかしら。

KSHMR関連の製品はこれまでご本人のサイトかと見られる Dharma Worldwide または WA Production からリリースされていた記憶があるんですが、別段 Exclusive ってわけではなかったのか、あるいはコラボレーションの一つなのか、よくわかりません。

機能としては単純にミドルウェア的にプラグインをホストするわけではなく、複数のインスタンス間で操作/設定を連動させたり、複数のプラグインのパラメーターをChainからマクロコントロールしたり、これは動作確認していないため定かじゃないのですがLetimixのGainMatchのようにゲインステージングやパラレル処理を可能にするっぽいです。

LeadでインサートしてFollow(これらは旧来マスター、スレーブと言っていたものを言い換えたと思われます)側が追従する、と。
基本的にはAUだろうがVSTだろうがVST3だろうが、エフェクトでさえあればお構いなしでロードされます。除外されるのはおそらく純正エフェクト、MIDI制御エフェクト、サラウンド系(マルチモノでは使えそう)、(本来の意味での)サイドチェーン機能。iLokが必要なものも大方動くと思われます。
ただ、いかなるエフェクトも安定動作するとは言い難く、先ほどSoothe 2を素早く操作したらハングアップしました。よく使うもので、安定動作するものをふぁぼっとくとよさそう。
プラグインレイテンシーの計測についてははっきりわからず。もし自宅で使用しているプラグインエフェクトで、レイテンシーが大きそうなものがあれば、デモ版で動作確認しておくことをお勧めします。

追記:

NFRをゲットしたので動作確認しました。
基本的な動作にはまったく問題なく、理想に近いのですが、以下の点で引っかかりました。

  • アイコンや表示が紛らわしい。たとえばレベルメーターのすぐ左のウィンドウアイコンは、該当プラグインの画面を表示するのかと思いきやプラグインのリストを表示するもの、再生アイコンに見えるものは折り畳みスイッチ。慣れれば大丈夫ですが、最初の数回は気楽な場面で使ったほうがいいと思います。
  • DAW純正のプラグインは認識されない。
  • パラメーターが多いプラグインをロードすると、マクロへの割り当てが困難。特に、そのプラグインのUIに示されている名称とプラグイン内で管理されている名称とが異なる場合、探すのがしんどい。一応、Learnで取得できるようにはなっているが。
  • Reason Rack Pluginをロードして、Reason Rack Plugin内のノブを右クリックするとDAWを巻き込んで落ちる。
  • マクロはあくまでその0〜100%までの数値しか持たないため、たとえばEQやフィルタの何Hzってのはわからない。
  • 言うまでもないが、プラグイン音源はロードできない(プラグイン音源のような動作をするプラグインエフェクトはロードできる)。そして、当該プラグインの設計にもよると思うが、サイドチェーンはたぶん利かない。

インストール時、インストールついでにプラグインフォルダの中をスキャンする仕様っぽいので、インストールは空き時間を狙いましょう。

情報

  • macOS, Windows対応(Silicon対応)
  • VST, VST3, AU, AAX
  • 定価$49, イントロ価格$29