Evolution “Flatwound Bass”

Evolution Flatwound Bass :: Orange Tree Samples
Evolution Flatwound Bass :: Orange Tree Samples

「ふ〜ん」と思いながらニュース見たんですが、Orange Tree SampleのEvolution Flatwound Bass、デモ聞いたらなかなかのクオリティです。

Flatwoundっていうのは一般的なRoundwoundと違ったすべすべの弦のことで、金属っぽい響きがなく、アコースティック・ベースのように渋い音を生みます。
倍音が少ないので音量のわりに歪みやすく、だけどその少し歪んだ感じがRoundwoundに出せないイナタさを持っていて、それだけにアンプとの相性を含めた音作りにかなりのシビアさが必要にもなります。
ちなみにwoundは怪我を負うこと…ではなく、wind(ワインド;巻く)の過去分詞。
レゲエとかジャズ、ソウルなど渋いジャンルで今も好んでFlatwound弦を使う人がいますね。

弦の違いによるサウンドの差

といってもだ。たとえソウル系でもJBもGraham Central StationもBootsy Collinsもってごちゃ混ぜでやるバンドだと、たとえイカした音でもFlatwoundじゃ無理があるんで、ふつうにRoundwoundの弦を張っちゃうほうが多い。ライブ中に弦の張り替えできませんしね。この辺の、選曲する人はもうちっと楽器のこと知ろうや、って話はいずれ気持ちにゆとりができたら書こうと思います。
ともかく、ベース音源で手頃だ!と思って拙速に手を出すとイメージと違い過ぎて使いこなせない可能性があります。
オーソドックスなサウンドを求めるなら手を出さないほうがいいかもですね。

僕が最近ずっと使ってるModo BassにもRoundwoundとFlatwoundのセレクトがあります。

IK Multimedia : Modo Bass
IK Multimedia : Modo Bass

80〜90年代前後の曲調での制作依頼が立て続いた時期にはちょくちょくFlatwoundの設定で制作しましたが、別に古い曲調じゃなくても使ってみて面白かった場面は多々ありました。
まあ、誰も気付いてないので地味な収穫でしかありませんが。

むろん、”らしく”打ち込むためには相当な技術が要りそうですが、WalkThrough動画でポテンシャルはしっかり伝わってきます。

気付いたこととしては、Modo Bassもそうでしたがスタッカート気味の音のときに生録でないことがバレそう(ハーモニクス気味な余韻や共鳴が残ってない;実はピアノ音色ライブラリーもこの点でバレやすい)、あとピック弾きのアップ/ダウンストロークの違いがなさそうの2点かな。
これらの点を重視する方にとっては不充分さを感じるライブラリーかもしれません。

価格は日本円だと15,000円くらい。わりあいおトク感あるように思います。