Eventide “SplitEQ” – トランジェントに分けてEQ
一方こちらもこの数日海外誌でたびたび見かけたEventideのSplitEQ。海外誌も最近は一時的に取り上げたあと知らんぷりみたいなのが増えてきたため(自戒)評価を読み取りにくいのですが、触ってみるとこれはこれで面白い。
Wavesfactory “Quantum”
つまりはトランジェントとそれ以外で分けてEQをかける発想のもので、以前取り上げたWavesfactoryのQuantumと発想の根っこは一緒。これにより、oeksoundのSpiffに近い処理も可能になります。
Quantumがトランジェントとそれ以外に分けてマルチFXを構成できるのに対し、SplitEQはあくまでEQの機能に限定しています。クリエイティブ用途ならQuantumで、スカルプティング用途ならSplitEQとなりますかね。
トランジェント検出時の解像度の調整、M/S処理、随所のモニタリング機能に「使い途をちゃんと考えてるなあ」という印象があり、Kirchhoff EQと比べて機能の奥行きが浅い印象はあるものの、完成度や使い心地の安心感は格段に上ですね。あと、デモ版でもプリセットを確認できるのがいい。だって「いつ使う?」がハッキリしないものにお金を出せないでしょう。
アカデミックな要素を用いながら緻密にOR正確に仕上げていくなら(相応の知識と理解が必要ながら)Kirchhoff EQが有効。他社のEQに影響を与える将来性も持っています。
一方で、音響心理学的な手法の汎用性を高め、カジュアルなニーズに応えたのがSplitEQで、このコンセプトだと他社による劣化版模造品が生まれやすそうに思いました。
どちらが良いか悪いかは場面次第なので、必要に応じて使い分けるのが妥当かと思います。
New Music Gear Monday: Eventide SplitEQ Plugin