Eventide “Crystals”

VST, AAX, AU, iOS対応ってことでEventideのH9シリーズに新たに加わった Crystals 。

$39

Eventide製品の特徴は幾つかありますが、フィードバックにおけるピッチシフト(ハーモナイズ)がキャラとしちゃ強い印象ですね。
H9のリストでもCrystalsはTimeFactorでなくPitchFactorにカテゴライズされています。

Native Instruments "Replika XT"
Native Instruments “Replika XT”
Eventide "Quadravox"
Eventide “Quadravox”

ピッチシフトを伴ったディレイやエコーってのはたまにあって、Logicの純正エフェクトであるDelay DesignerやNative InstrumentsのReplika XT等にもありますね。
だけど特に僕みたいに曲中で頻繁にスケールを変える人にとっては、エフェクト音がディスソナントを招きやすいピッチシフト機能はけっこう鬼門なのです。

MIDI FXのModulatorを使用。
MIDI FXのModulatorを使用。

Crystalsの場合(Eventide製品全体がそう?)面白いのはPitchの値が飛び番になっていることで、つまり完全4、5度、オクターブと、さらにそのオクターブ上の各々前後10セント以外のピッチが鳴らない。
ディスソナントを完全回避できるわけではありませんが、音程がぶつかるリスクを抑えられます。
LogicのMIDI FXを使うとプラグインのパラメーターを(ある程度)自動的にモジュレーションさせられるので、組み合わせればさらに妙ちくりんな効果を狙うこともできるでしょう。
(願わくばMIDI FXにもサイドチェーンが付くとオーディオトラックに対してもMIDI FXを使えるようになって有り難いのだけど)

ディレイ、エコーなどの空間系エフェクトとしてCrystalsのクオリティがべらぼうに高いとはいえないのですが、付加要素を有効に活用できたならイイ買い物と称せるだろうと思います。