エントリーレベルのキーボードが使われる

昔でいうPortasoundとか、CASIO製のものとか。
総称がわからないので「エントリーレベルのキーボード」と言っておく(ポータブルキーボードというと、また別の検索結果が出てくるんで)。
数日前NPRのニュースに上がったSoccer Mommyのジャケ写にもフィーチャーされていて、ちょいちょい目にする。

CasioのSK-1はHistory of CASIO’s Musical Instrument Business. | CASIOによれば1986年発売。
Casio SK-1 Sampling Keyboardsってサイトでもパッケージや情報など確認することができる。

動画冒頭では$91で買ったと言っている。
当時ウリだったサンプラー機能はいま聞くとお遊戯レベルだけれども、そう簡単に再現できなさそうなLo-fi感が倒錯的な物欲を掻き立ててくる。
「安いけど案外手に入りにくい」価値が注目されているのか、それとも単にLo-fiムーブメントの文脈で辿り着いたのか、単なるファッションなのか、何かのシンボルを兼ねているのか。
経緯はハッキリとつかめていないけど人目を引いているのは事実と言っていいんじゃないかなあと。

Pierce Fultonのリミコン対象曲でもこの手のキーボードがフィーチャーされていた。

CasioのMT-240はおそらく1980年代末ごろの製品で、中古価格が$94.90くらい。
こういう動画を見ても愛好家のテンションが凄まじい。さしもの僕でも軽く引いてしまった。
Waverazorの記事にうっすら記したが、この手のレトロなキーボード、あるいは音の出る知育玩具はサーキットベンディング愛好家にとっても好物で、量産品とはいえ、そのままの姿で使いたい人との間で今後奪い合いになる可能性がある。

先月末のM3会場でも僕らのスペースの斜め向かいでそれらしき出展をしている方がおられた。
2014年に亡くなられた小川文明氏も当時このように楽しんでおられたようだ。

Casioのこの手のキーボードを話題にしたからにはスレンテンも紹介しとかなきゃいかんかな。
RiddimとはRhythmに由来するジャマイカ訛りつまり”パトワ(Patois)”の一つで、レゲエ等ではオケを指す。

YAMAHAのPC-100やPSS-270は僕も小学生から中学生くらいのときに自宅にあって、それなりに使い倒した。
PSS-270は2オペのシンプルなFMシンセで、いま持っていたらどうだったかなあ。
高い金額で譲れたかもと一瞬思ったけど、さっきの動画で$91って言ってたから儲かるとは言えないな。
儲かるとは言えないけど、もう使わねえからいいやと捨てたのは贅沢だったかもしれない。

一応書いておくと、今ももちろんエントリーレベルのキーボードの後継は続々と発売されている。
近年はハイエンド製品を劣化させたのが多い印象があるけれども、それはそれだ。
CasioがちょっとオシャレなSA-46を発売して軽く話題になったのが2010年。また、各社とも意外(失礼)と積極的に開発している気配がある。
今さらレトロな出音のものを作ったとして市場が反応するとも考えにくく、どう現状をとらえるのがイイんだろうかね。
ただまあ、ファッションで考えると、作られた当時のものを求める層もあればレプリカでいいという層もあるし、アンティークな雑貨にしたって、いま再生産して食いつく人もそんなにいない気がするし。
未開拓の地と見るか既に疲れてしまった土地と見るか、人によるかしんない。
とはいっても先ほど書いたような、プラグインで加工するのとはワケが違う絶妙なLo-fi感は、僕自身も含め、欲しがる人はそれなりに多いと思う。

そういや、昔は幹てつやとか、こまつとか、活動しやすいようにポータブルなキーボードを使っていたんだろう。
ポンチャックもあったな。

話は戻って、キーボード本体が映っているわけではないが、PSR-110というキーボード上に施されたグラフィックを使ったものとして、2015年のPentagramのMVもあるので、それも紹介しておく。

Dump Run on Vimeo(via Pentagram’s first music video features retro keyboard graphics