DTM関連情報 3/1

Synthogy “Ivory 3”

Ivory 3 German D
Ivory 3 German D

このロゴを見るのも久しぶりな気がします。
Ivoryに搭載されたRGB(Real-time Gradient Blending)エンジンによる柔軟なベロシティ(MIDI 2.0の65,536段階ベロシティを含む)に対応し、曰くリアリティを求めるためにと打ち込みベロシティを細かく調整する必要がなくなったと。モデリングではなく、ハンブルク製Steinway D-274(スタインウェイD-274 – Wikipedia, Steinway Grand Piano D-274 – The Concert Piano – Details)サンプルの発音に対して調整がなされるらしい。

デモ音源ページ:Ivory 3 German D

詳細は製品ページをご覧いただくとして、ざっくりと機能を見てみると、プリセット簡素化、マイク・パースペクティブ複数収録、ミキサーチャンネルの充実、レイヤー音色(Ensemble Strings等)追加が売りのよう。
価格が$279と、安めなようでもあり、かといってピアノのモデル一種類のみの内容なので妥当な価格のようでもあり。ただApple SiliconおよびSSDが推奨されている通り、処理速度が相当に必要なよう。早い話、導入にあたってはPCごと買い換えるか専用機の導入を考える必要がありそうで、おいそれとオススメしづらい製品であるように思います。

情報

  • macOS(Silicon推奨、SSD推奨、Windowsは追って対応)
  • AU, VST3, AAX, スタンドアローン
  • $279

GForce “Minimonsta2”

GForce Software
GForce Software

旧バージョン詳しくないので機能追加か改善かハッキリわかりませんが、新機能として記されているのは、表示サイズ変更、オーディオエンジンの改善、プリセットブラウザ刷新、300プリセット追加、リバーブ追加、ビンテージコントロール追加(意図的に不安定にすると思われる)、4つのマクロ追加、柔軟な4ステージ・エンベロープ追加、別バージョンのラダー・フィルター、OSC1にPWM機能搭載…といった感じらしく。
類似の音源を既に所有している人にはそんなに響かないかもしれませんが、一台くらいこの手のを持っておこうって人には比較的手を出しやすい価格ではないかと思います。

情報

  • Windows, macOS(Silicon対応)
  • AU, AAX, VST2, VST3
  • 定価£99.99、イントロ価格£49.99

Daft Punk vs Sample Hunter

Google Assistant is a secret weapon for identifying music samples
Google Assistant is a secret weapon for identifying music samples

Discordコミュニティ Sample Hunterが、Daft Punkの楽曲に引用されたサンプルの原曲(未判明分)をGoogle Assistantを使って探し当てたとする話題が、Music Tech誌で取り上げられています。Google Assistantはピッチが変わったりタイムストレッチのかかった素材であっても…剰え1秒に満たないサンプルであっても特定ができるらしく。
探し当てたって話もすごいけど、動画での可視化も優れています。…おや? この動画は1年前のものなので、Music Techの話題が古いのか、それとも掘り当てたものはこの動画で示されていないのか。

伝えるところによると、Todd Edwardsの楽曲で使用されるサンプルの特定をしている際に、Shazamを上回るGoogle Assitantの潜在能力に気付いたそう。Todd Edwardsの曲(似たようなタイプとしてはLandslideもかな)も、15年ほど前から膨大なサンプル引用をその魅力としていましたね。その後Akufen辺りに食われ、Micro Houseというジャンルが打ち立てられた頃には、僕の観測範囲から漏れ出てしまいました。

ともあれ、Google Assistantが果たして一撃必殺で元ネタを引き当ててくれるのか、これは定かじゃありませんし、一定以上有名な曲が元ネタであればこそ引き当てやすいとも言えるわけですが、やべえと思っている人ももしかしたらいるかもしれません。
AIによる剽窃が懸念される一方で、AIが元ネタを見つけるという、よくわからないイタチごっこが既に始まった感あり。

SmokeyLoops “Soul Jazz 7”

Soul Jazz 7 – Smokey Loops
Soul Jazz 7 – Smokey Loops

珍しくサンプルパックを取り上げてみます。デベロッパーは、Privacy Policyによると所在地がロッカピエモンテとされているのでイタリアですかね。
ほぼソフト音源ですね、これ。それが悪いとは限らないのですが、あくまで個人的にはですがソフト音源で鳴らしたものなら自分は要らない。
それと、これもあくまで個人的な好みの話になりますが、Soul Jazzってわりには西海岸っぽいというかAORやスムースジャズの雰囲気のほうが強い。むろんその辺りのサウンドってきっちりテリトリーが別れているわけでもないのだけど。西海岸って9度11度くらいまで使うけど13度をあまり使わない(統計取ったわけではない)ので、いまひとつ窮屈な感じがするのです。自分は6度(13度)を近年よく使うので、いくらSoul Jazz方面は好きでもスムースジャズ色が強いと食指が動きにくい。

そういえば、たまたまYouTubeを漁っていたら、ビンテージっぽいドラムサウンドを作るのがこの数年ずいぶん流行っていて、頻繁にオススメに上がってくるのですよ。
こちらも2,3年ほど前の製品だと思うのですが、レトロスペクティブ指向のものとはいえクリエイティブなサウンドメイクで面白かった。

SUPER DEAD DRUMS SAMPLE PACK — Jake Reed Music
SUPER DEAD DRUMS SAMPLE PACK — Jake Reed Music

ここではドラムのみですが、ソフト音源ではこうしたサウンドメイクが非常に難しいので、サンプルパックに対しては生楽器だからこそ得られるサウンドメイク的なものを期待してしまうんですよね。人によるとは思いますが、自分がほしいのは空気感であって、フレーズは自力でそれなりに頑張れば何とかなるんです。

Music Production Vocabulary – All The Terms You Need to Know

Music Production Vocabulary - All The Terms You Need to Know - Reason Studios
Music Production Vocabulary – All The Terms You Need to Know – Reason Studios

Reason Studiosのブログに「Music Production Vocabulary – All The Terms You Need to Know – Reason Studios」と題する記事が上がっています。
技術用語、仕事上の符牒の類いかと思ったけど、制作時に目にするごく一般的な用語の簡単な説明。逆に言うと、ここを見て「ん?」と思ったならこの機会に覚えちゃったほうがいいですね。
あと海外と日本とでは少し語彙範疇の異なるものや、まったく別な言い方をする(有名なのはギターの「チョーキング」ですかね)ものもありますんで、海外とやり取りすることの多い方は用語を誤解してないかチェックするのもいいかも。
英語の記事ではありますが、DeepL、ChatGPT、NotionAIなど、記事内容をつかむのに便利なサービスが毎日のように増えてますんで、この機会に活用しちゃいましょう。