UCS 8.2

Synthtopiaの記事題にある通り、巨大なサウンドライブラリーのアーカイブを整理把握し見通すための命名規則あるいはタグ付け規則の話かと思います(動画の途中までしか見てない)。
ずいぶん自分も長いことこの手の問題に悩まされてきてますが、同様に何とかせねばって方々がおられたんですね。バージョン8.2だから実用に堪えるものと予想されますが。
サンプルマネージャーやサンプルパックなど、サンプルを購入したはいいけど使おうと思ってた音が積みゲーの山に埋もれて行方不明、または探し方がわからんってケースは多くて(好機と、また新しくサンプルパック買わせたれってのが業界の商売基準なのだろうけど、問題解決には直接作用してないですもんね)、「こりゃ便利!」てな決定的なイノベーションは、自分の知る限りまだ起きていません。
スペクトルを分析してカテゴライズする仕組みやファイルタイトルから分類する仕組みもあったりはするけど、まだ百発百中ではない。じゃ素材提供者が担っとかなならんのでは…?とそりゃ思い至ってしまうわけです。
上の記事のコメ欄にもあれこれと記されています。
シンセ等のパッチ名もね、たしかに悩ましい。
たとえばメロトロンのフルートの音色にStrawberryなどと、代表的な曲(The Beatles – Strawberry Fields Forever – YouTube)になぞらえた命名がなされていたりするけども、いつまでこの命名が通用するのか。既にストロベリーって何じゃろって人のほうが多いでしょうし。メロトロンのフルート音色をストロベリーと言うのかあ…と思っちゃってる人も中にはいるでしょう。
一方、サンプルの使う目的や分野次第で、自分にとって必要な情報は変わるもんで、たとえば曲を作るときのティンパニは低音の音程打楽器だけどカートゥーンにおいては尻餅だとか、これらを同じカテゴリーと見るか否か。
使う側が物事に対して一定の視野を持っていないと、つまり尻餅の音がそもそも楽器の音だと知らなきゃサンプルに辿り着くこともできない、これも困るというか、良きか否かと思うのです。
こちとら考えが及ぶのはそこまでなので、分類学か博物学かちょっとわかりませんが、専門家の方にお任せしたい次第。
悟りを開けそうな “Xenos”

数学と音楽の世界って美しく寄り添っているだけに、ちょっと手法を変えただけで次元の狭間を覗き込むような謎めいたものが生まれたりします。
GitHubで配布されているXenosもその一つで、名前から察せられるとおりXenakisの思想に基づいたシンセシスを一つのソフトとして実現したもの。
Xenakis also developed a stochastic synthesizer algorithm (used in GENDY), called dynamic stochastic synthesis, where a polygonal waveform’s sectional borders’ amplitudes and distance between borders may be generated using a form of random walk to create both aleatoric timbres and musical forms.
Iannis Xenakis – Wikipedia
ちなみに44.1kHzが基本動作環境っぽい。48kHzだと基準音のピッチがズレました。
思えば、かつてのArboretumのHyperprismも、Xenakisからアイディアを拝借していたのかもしれない。しらんけど。
この数ヶ月、実は優れたM4Lデバイスがかなり大量にリリースされており、海外各誌も記事がほんのりそちらに引っ張られてる気配があります。ユークリッドリズムしかり微分音しかり、Ableton Live自体もPossibilityやChanceの概念をフィーチャーしてますし。
かつてマニア向けで素人に取っつきづらかった手法に、より多くの人が深く入り込めるようになったとしたら、こりゃもう楽しみしかありません。
インストーラパッケージは上記GitHubの右側のReleasesから。
Teenage Engineeringの新作は20万円のデスク

SDGsの一環でしょうか。何だかさっぱりわからないので、どなたか解説お願いします。
Eminemのディープフェイクボイスを使うDavid Guetta
声真似をするAIを使ってEminemに「This is the future rave sound, I’m getting awesome and underground.」と喋らせたものをサンプリングしたものだそうで、商業的リリースはないとのことだが、これを良しとするか否かは、仮に「個人的に〜思う」と言い回しを選んでも悩ましい。
David Guetta Used AI to Deepfake Eminem Vocals for New Song
David Guettaは全然キライじゃないし、こういう手法があるなら使ってみようって発想は否定されるべきでない。だが、本人が言ってないことを言わせてしまう、あまつさえ「こんなジョークを仕込んだ」と騒ぎの後になって明かすのは、だいぶ危ういと思うのです。
そこまでの問題じゃないけれど、悪用が効くことを未必の故意的に証明したようなものと自分は認識しています。