DataMind Audio “Concatenator” – 音効制作が100倍ラクに?

DataMind Audio “Concatenator”

完全に見逃していましたが、他とは異なるAI(というかNeural Network)活用手法を探っているらしきDataMind Audioってデベロッパーがあったらしく、既存のループのサウンドを別のコンセプトにすげ替えるCombobulator、それに新作と思われるConcatenatorの2製品が現在取り扱われています。

情報

  • Windows, macOS対応
  • VST, AU
  • 定価
    • Combobulator $149〜(期間限定 $99〜)
    • Concatenator $149(期間限定 $119〜)

どちらもビジュアルが特徴的で、使ってみようかなって気にさせます。
Combobulatorのコンセプトは上に記した通りなのですが、正直なことを言えば解像度が決して高いとは言えず、この分野独特の低転送率を思わせる出力となっています。もちろんそこが面白みであるということも可能ではあります。ライブシーンで使うと面白いことができそうな気はしますね。

Concatenatorは動画デモが一目瞭然で、入力オーディオのトランジェントやサスティンを、オーディオプールのファイル群にすげ替えて鳴らしてくれるもののよう。
入力オーディオによってオーディオデータをさまざまな解析済み要素でもってmanglingするコンセプト自体はこれまでにもなかったわけではありません。しかし、大量の効果音を映像シーンに合わせるために自分の声でコントロールするというのは、実用例として確実に魅力的に見えます。
まあ自分の声で効果音群をどうにかできるってんであれば、マシンパワーさえあれば、たとえばゲーム中のキャラクタの移動速度等さまざまな要素でもって効果音群を自動的にトリガーできるということでもあります。
とはいえ、そこら実装可能性の判断におけるスレッショルドは現状まだそこまで高い値を示せないでしょうから、音効担当者が担わざるを得ないのが実情でしょう。だとしても、このツールの手を借りれば100倍は言い過ぎにしても数倍作業が楽になるとしたら画期的かなと。

いずれにせよ、初期コンセプト自体はそこまで斬新でもないのですが、他社が、(先ほどの言い回しを借りれば)転送率の低さをどう乗り越え鮮明な結果を出力するかに注力しているのと比べて、どちらかというと何を差し置いても実用側からNeural Networkの活用方法を探らねばとしたスタンスは、評価されないといけません。
結果、他社が「こんな感じのアイディアを形にしてみましたけど、活用できそうでしょうか…?」とずいぶん奥手に見えるのに対し、かなりポジティブな印象を与えられますし、興味も唆られるってなもんです。デベロッパーの将来性や意欲って、ユーザーの購買意欲にも意外と作用しますもんね。

動画についた次のようなコメントがThumbs Upを稼いでました。

I don’t need this but will buy it just because innovation needs to be rewarded in this ocean of vintage emulation crap.

概訳:私は必要ありませんが、ヴィンテージのエミュレーションの海のようなこのクソな状況で、イノベーションが報われるべきであるという理由だけで購入します。

✨ Introducing Concatenator by DataMind Audio ✨ – YouTube

資料