Daniel Rothmann “Roth-AIR”

毎年恒例のK-v-R Developer Challenge(https://www.kvraudio.com/kvr-developer-challenge/2016/)に幾つかエントリーされている中で、Daniel Rothmannの Roth-AIR が面白いと思いました。
K-v-Rサイトにも「これからの標準になっていくだろう」ってコメントが寄せられています。驚くことにフリーウェアです。

開発者は基本的にはミュージックプロデューサー兼プログラマーで、スッキリ整理されたサウンドメイキングが印象的。

仕組みはたぶん入力音に対してごくわずかにノイズを加えるというもので、少しこもって聞こえるチャンネルのインサートに挿してあげると輪郭がつき、やや前面に出て聞こえるようになります。
試しに、とある提供曲(そのまま使うとアレなのでイジってあります)のピアノ、オルガン、シンセスタック、ドラム、ボーカルパートにRoth-AIRを挿してみました(スマホ用ページだと聞けない場合はPC用ページで確認してください)。

ピアノ、オルガン、シンセスタック、ドラム、ボーカルにRoth-AIRを挿してある

ピアノ、オルガン、シンセスタック、ドラム、ボーカルにRoth-AIRを挿してある

決して元は眠い感じの音ではなかったのだけど、特にボーカルに関しては洋楽のように吐息成分が自然に強まってしっかりしたサウンドに聞こえるのがわかると思います。
高域の足りなさを補うのが使い方としては順当だけど、2ミックスに対して闇雲に使うと芯が細く聞こえてしまうので、例えばいちどM-Sに分けてMとSとで違う帯域をエンハンスしてやるとなかなかいい感じになります。

自分はこれまでのEQでの高域補強時に、

  • Logic ClipDistortion (高域のみ歪ませる)
  • Antares MicModEFX
  • AUGraphicEQ (16kHzを1db程度上げておくといい)
  • UAD Pultec

など使ってましたが、存在しない帯域をEQで持ち上げるのは勇気が要ります。
ClipDistortionとMicModEFXは単純に「持ち上げる」ものなので、ビットの荒れた汚いサウンドになりがちで、AUGraphicEQも少し硬いサウンドになります。
UAD Pultecはうっすらかけるのに使うくらいなもんだったのだけど、それを模してLogic10.4で加わったVintageTubeEQがなかなかフレキシブルな値に対応するようになってGood。

ちなみに、わりと頻繁にRoth-AIRが聞かなくなったりするので、時折バイパススイッチなど押して動作を確認したほうがいいです。
効いてないと思ったら、Logicの場合は環境設定でCore Audioを一旦無効にしてから再度有効にしてみて、それでも復活しなければLogicごと再起動。
ぶっちゃけ、Core Audioの無効有効を行うと曲中で使用している稀にプラグインの設定が吹き飛ぶことがあるのでLogicごと再起動した方がむしろ安全。
あと、うちの場合はFXスロットのチェーンの最後に置かないとRoth-AIRが働かないので、どうしてもチェーンの途中にこれを置きたいときには、下のスクショのようにRoth-AIRより後のインサートをAUXに移動してやります。つまりトラックスタックを使用した、ボーカル用ミックスバスというやり方。

操作性 ★★★☆☆
レスポンス ★★★★☆
音質 ★★★★★