D16 Group “Nithonat 2”

D16 Group “Nithonat 2”

言わずと知れたRolandの銘機TB-303, TR-808, TR-909等の優れたインスパイア製品を開発してきたD16 Groupが、TR-606のインスパイア版にあたるNithonatをバージョンアップし、Nithonat 2として6/6(606の日)にリリースしました。

本記事執筆時現在まだティザー動画しかないのですが、早速手に入れて楽しんでる方もおられるので、適宜検索してみてくださいな。

情報

  • Windows, macOS(Silicon)対応
  • VST, VST3, AU, AAX
  • 定価€119、イントロ価格€69

TR-606 インスパイアの域を超えとる

これまでD16にほぼ興味がなかったというか、多々ある代用サンプルなりシミュなりで間に合うじゃんと思っていたんですが、今回Phoscyon(TB-303インスパイア)に続いて本製品のNFRを頂戴し、ざっといじってみて、思ってたより遥かに奥が深いと思わされました。
なのでNFRもDemoも触ってはいないけど、808インスパイアのDrumazon 2、909インスパイアのNepheton 2ももしかしたらとんでもなかったのかもなあ、と認識を改めたところです。

それぞれ、バージョンアップに伴ってプリセットシステムやビジュアル、エフェクトスロット(というかチャンネルストリップ)が新しくなっているのですが、元のTR-606の比較的地味なドラム音がこうも面白くなるもんかね、と。
メモし損ねてしまったのですが、プリセットを探索中、和音フレーズが聞こえて「はて、ハーモナイザー的なもの、はたまたユーザーサンプル機能でも積んでるのだろうか」と思って解(ほど)いてみたら、ハイハットにサンプルレートのリダクション(4,440Hzがキモっぽい)をかけて高域をフィルターしたものが和音として響いてました──このたかだか一点のギミックに射抜かれました。
他のプリセットでも似た手法が用いられていたので、単に私が知らない定番手法なのかもしれませんが、プリセットが内製でまかなっているとしたらそれだけでスタッフの技術が途轍もない(Author情報にはSebastian Bachlinskiの名がありますが、取りまとめ役として記されてるだけかもしれない;今どきそんな古臭い方式で行わないと思うけど)。
きちんとギャラが計上されてるといいですね。日本みたいに中間マージンで8割抜かれるとか、まさかあるまい。

追記: Abelian Groups Symmetriesなるプリセットでした。こんな冒頭にあるとは…。

これらに限らず、エフェクト機構のお蔭かプリセットのバリエーションがとんでもなく広く、サンプル再生方式のドラムマシンとの大きなポテンシャルの差を感じたのでした。
あと、このエフェクトスロットは、今や定番となったドラッグによる並べ替えに対応しているほか、急な値変更に対してはヌルッと補間気味にシフトします。
こういうのを嫌がる人もいるだろうけど、あえての設計でしょうね。アナログ感があって心地よく、ぬるり補間はそもそもスパイクが起きにくいためライブに使いやすい。

808や909に比べると楽器数が少ないので、もしかしたらDrumazon 2やNepheton 2だとさらにとんでもないプリセットが備わってる可能性があります。

名称由来は謎

ちなみに、この手の多くのシミュやインスパイア系のソフトの名称は元の製品名をもじったり(たとえば808をate-o-ateなど)するのですが、Drumazon, Nepheton, Nithonatの名称の由来がまったくわかりません。
DrumazonはAmazonっぽいけど808との関連性が不明。
Nephetonは、GPTにたずねるとヘブライ語由来ではとのことだったけど「急にどうした?」って感じ。
Nithonatに至ってはnitronate(ニトロン酸塩)をもじってるのかなと推測。
いずれにせよ、秀逸な各ソフトのインターフェースの一貫性とは似ても似つかぬ、名称の非一貫性を感じてしまうのでした。