Serum 2のプリセットパック作成手順
Serum 2のリリースからしばらく経って、幾つかのブランドからプリセットパックがリリースされています。
Serumのときは、配布できるfxp(+必要に応じて付随するNoiseファイルなど)をzipか何かにまとめて配布する流れでしたが、Serum 2からはUserフォルダ内に自分の名前のフォルダでも作ってそこにserumpresetファイルをまとめ、これを1つのSerumPackファイルにモノリス化して配布できるようになりました。
作成者情報なんかもまとめて入力できるようになりましたし、日本語ファイル名、顔文字なんかも使えるようになっているので(ただし、思いもよらぬエラーが発生する可能性はあるのと、海外の人にも興味持ってもらおうと思ったら日本語名は避けたほうが吉)取り回しは遥かに楽になっていると思われます。
プリセットブラウザでマスエディットし、出力
- 自作のプリセットはUserフォルダに保存されるのですが、このUserフォルダにはあらかじめ、自分用のまとめフォルダを作っておくとよい。
まとめフォルダはプリセットブラウザ上で作れないので、MENUのOpen Serum 2 Presets Folderを選択してFinder/エクスプローラでプリセットフォルダを開き、Userフォルダ内にまとめフォルダを手動で作成しておく(作成済みのプリセットファイルがあれば、必要に応じてまとめフォルダに移動しておく)。


- プリセットブラウザ上では複数選択してAUTHORやCATEGORY等をまとめて入力/変更可能。前バージョンのように、「入力したのに次に開いたときには消えてる」みたいなこともなさそう。
ただ、その後表示される確認画面が[Cancel][Cancel]とおかしなことになってる。左の[Cancel]が実は[Ok]ボタン。

![その後表示される確認画面が[Cancel][Cancel]とおかしなことになってる。左の[Cancel]が実は[Ok]ボタン。](https://www.makou.com/wp-content/uploads/2025/06/25062603.png)
- 一通り揃ったら、左側のリストでまとめフォルダを見つけて右クリックし、「Create and Export Pack…」を選択すると、このプリセットパックの情報を入力する画面が表示される。

- 情報その他バナーのようなものを設定可能。日本語を直接入力することはできない(可能性がある)が、コピーしてきて日本語のままペーストすることは可能。
場合によっては、ここで何らかのエラーが発せられる可能性があるので、適宜対処しておく。おそらく多くの場合はファクトリープリセットに含まれていないWavetableやオーディオデータをきちんとEmbedしろみたいな問題かと思われ(Embedの何がどう、ってのは別記します)。


これで、SerumPackというモノリス(一本化)ファイルが作られます。バナーは今のところ、実際に何かに使用されているようには見えないが、気休め程度にでもCanvaか何かを使って作っておくといいかもしんない。
また、個々のプリセットファイルの作成日付等ですが、ユーザーの手元でSerumPackをインポートして展開した日付におそらく書き換わると思われるので、配布前に日付を加工したりする必要はなくなります。
インポート
プリセットパックを購入した人には、MENUから「Import Preset Pack…」を選択してもらえばOK。

これにより、Packというフォルダにサードパーティ製のプリセットファイルがまとめられます。
プレビュー
プリセットブラウザ内でプリセット名の左端に表示されるプレビュー(▶)は、Serum 2のClipに記録されたものが使用されます。これがない場合にはSerum 2がもともと用意してくれているものが使用されます。
自分でプレビューを作っておきたい場合は、適宜DAWにそれらしきフレーズを打ち込んでMIDIとして書き出し、Serum 2のCLIP画面にドラッグインポートして(クリップの長さを編集する必要がある場合もあり)、丸ごとプリセットとして保存し直せばOK。大量にプリセットが存在してそれぞれにプレビューを反映させなきゃいけないときは、最初にMIDIをインポートしたときにBANKをクリックしてSave Clip Bank…しておくことで、次回以降はBANKのUserメニューから呼び出せます。


Embed云々
以前、スタッフとやり取りしたときのを転載します(別に社外秘でもないと思うので)。
【Wavetableのプリセットの場合】
- Embedせずに保存した場合、(EmbedしたWavetableが別途保存されていようがいまいが)Wavetableの形状が変わってしまう
- これは、プリセット作者がWavetableモードでオーディオデータをインポートする際に選択したモードが無視され、別ユーザー(または別環境)のもとでは「Audio (via Dynamic Pitch Zero-Snap)」がデフォで適用されてしまうせいと思われる(バグではなく仕様)
- Embedして保存した場合、Wavetableの形状が保たれる
- ゆえに、プリセット製作者がプリセットを製作したときと全く同じサウンドを別ユーザーが鳴らせるのはこの方式
【それ以外のプリセットの場合】
- Embedせずに保存した場合、プリセットに使用された波形データとともにshareしないと、別ユーザー(または別環境)のもとでは「MISSING FILES」のダイアログが表示され、波形データを探さないといけない
- 意地でもこのスタイルでプリセットをshareしたい場合でも、波形データはSerum 2 Presetフォルダの特定の位置にあるべき。そうでない場合、ユーザーは当該音色使用時に毎回「MISSING FILES」のダイアログでファイルを指定しなくてはいけなくなる。ユーザーにとっては不便でしかない。
- Embedして保存した場合、若干プリセットのファイルサイズは大きくなるが、「MISSING FILES」のダイアログなしでスムーズに利用できる。
- ゆえに、プリセット製作者がプリセットを製作したときと全く同じサウンドを別ユーザーが鳴らせるのはこの方式
- この場合の問題点として、Embedされた波形データ(サンプル)が完全に自前のものでないと、場合によっては(元サンプルの)利用許諾契約違反になる。
これらを簡便化するのがSerumPackの方式と思われ、MENUからImport Preset Packを選択してSerumPackファイルを取り込むと、SampleにせよGranularにせよSpectrumにせよプリセットで使用されているオーディオファイルはPresetsフォルダより少し上の階層のSamplesフォルダに置かれることになります(ファクトリー内のオーディオファイルを使用した場合を除く)。
https://www.reddit.com/r/FL_Studio/comments/o1mwc0/how_to_extract_the_noise_from_a_serum_preset/?rdt=47002
これによるとSerum1ではSerumPrefs.jsonまたはSerum.cfg内の「”Embed Noises Always When Not Factory”: false,」ここに設定があるみたい。
所在は、
■ macOS: ~/Library/Preferences/
■ Windows: %APPDATA%\Xfer\Serum\Serum2ではこの設定ファイルをいじらずにSerum2のインターフェース上で選択できるようになったんでしょうね。
embedしない場合には単純にSerum Presetフォルダ内のnoiseフォルダを確認しにいって、そこにない場合、Serum 1では無音、Serum 2ではMISSING FILESが表示されるという流れのようです。
なので、jsonファイルの編集でembedできることをご存じないプリセット作家の方が作られたSerum 1の拡張プリセットを購入/ゲットした場合、「ノイズファイルをnoiseフォルダに放り込んでね」と製品パッケージ内に記されたものも実際ありました。
と、まあ、そんな感じのようです。