CARP Audio “Body Shifter” – 重心移動に役立ちそう

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CARP Audio “Body Shifter”

CARP Audioという、最近ちょくちょく耳にするデベロッパーからはBody Shifterがリリースされています。こちらも、Rekkard.orgが60%オフとなるクーポンコードを配布中。

CARP Audio releases Body Shifter spectral processor plugin

情報
  • Windows, macOS対応
  • VST3, AU
  • 定価¥16,800、イントロ価格¥10,600(2/25現在)

これは、個人的にはずっと待ち望んでいたものと思われますね。実際に試してみないと確実に言い切れない部分もあるのですが、製品紹介動画を見た限りでいうと、入力音声のスペクトル分布の形状をシフト(音程は変わらない)し、明るすぎる音をおとなしくしたり、暗すぎる音の重心を上に引き上げて軽やかにするような効果が得られるようです。
つまりだいぶ昔に書いた話題ですが、Logic Proのピアノの音など、低域でダマになりやすいのをEQではない手法で解決できる可能性があるわけですね。EQとの違いも、実際に試してみねばね。ポップスのつもりで作ったが、元の音源の音色の重心が低いようで爽快感が出ないとか、フレーズをオクターブ上げてチャチくなっちゃうのもイヤだしな、なんてときに出番があるかもしれない。

ただしかし、スペクトル分布の形状は入力音声から取得しているようなので、オリジナル音声が突飛だったり、かなり独特な分布形状だった場合には、思ったような重心移動を反映できない可能性があります。
だから、たぶんサイドチェーン入力やノイズプリントのようなものが取り込める…かと思ったら、んー、どうもマニュアルにはそのような情報が見当たらないので、うまくパラメータを調整して、その問題を解決することになるかもな、ってとこです。

本記事のタグ、適切なものがないので、ひとまずイコライザーに分類しています。

250405追記

機能、操作性

遅ればせながら導入してみました。
コンセプトは非常に面白く、いわばフォルマントを動かすような効果であると認識できましたが、それゆえ特に入力が複雑な音であったりノイズ混じりの音であるほどスペクトルの余韻が残ってしまうため、ミックスバスやマスターバスに使用するのには向きません。
適切に制御しようとなるとパラメータが足りない印象。スレッショルドのように機能するパラメータがあるものの、もっとターゲットを絞れないと個別のチャンネルストリップに対してであってもすべての音成分に影響が出てしまいます。

したがって、2段階スレッショルドか、マルチバンドかどちらかを追加導入すべきと判断。
ユーザー側としては、もし適切な対象に絞り込めるようなプラグインやマルチバンドに分けられるメタプラグインを別途お持ちであれば、それらとのコンビネーションで用いたほうが望ましい結果が得られるのではないかと思います。

似たような、(副次効果的に)重心をシフトできるプラグインとしては、KlevgrändのDAWLPか、WavesfactoryのEqualizer、Sound RadixのSurferEQ 2、あるいは何らかのマッチEQや、サイドチェーンつきのダイナミックEQ辺りを選んだほうがいいのでは、というところ。