Logic 10.5のデモにBillie Eilish “Ocean Eyes”

今さら気付きました。Billie Eilishの Ocean Eyes のプロジェクトデータですね。
いつからだろうと思ってググったら今年の5月かららしい。曲自体は2016年ですけども。

Logic Pro X 10.5 Demo Project
Logic Pro X 10.5 Demo Project
全体像
全体像

探したらどこかに本人の解説があるかもしれないので、あまり適当なことを書くべきじゃないんでしょうけど、所感くらいは記すこととします。

全体像と音色データ

これが実際のデータであるか、ハッキリとはわからない。
リリース音源で聞かれる重量感はこのプロジェクトデータにありませんが、それ以外の差異は多くない印象です。気付いてないだけかも。

歌以外は純正音源の音を使用しているようですが、Custom Soft Pianoとされる音色は純正のClassical Pianoを大胆に間引きしたパッチであるようですし、Modern MachinesやFizzy Beatsといったリズムパートもやはりパッチ内容を大きく間引きした状態となっていました。様々な環境でも開けるようにプロジェクトを軽量化したのかなあなどと。
ミックスやリスニング時のMacの安定動作に向け、「整理」コマンド以外でのプロジェクトのこういう軽量化はもっと簡単にできるようになると有り難い。

使用されてるプラグインエフェクトは当然のことながらいわゆるストック(純正)。
EQ、Vintage EQの使い方とコンプのモデルの使い分けは参考にしたいところ。ミキシングエンジニアの方からすると、参考にするまでもないのかもしれませんけども。
リバーブを、センド以外にインサートでも結構使ってますね。ものの本では2種類以上リバーブを使うななんて記されてましたけど、クリエイティブな部分は倣うべきかもしれない。
それと、センドは基本ポストフェーダーで使用。完全右パン、完全左パンってのも積極的に行なっていて、そろそろ自分も従来の原則から解放されていい頃だな…と思いました。

テイク数

コンピングの鬼が出たぞー
コンピングの鬼が出たぞー

プロジェクトデータにインクルードされたボーカルのレコーディングデータは、メインボーカルもハーモニーも含めて、数としては144ファイル。
またコンピングというかテイク選定は上のスクショの状態であり、この絵面だけをもって多いとも少ないとも言い難い。

ただ、自身かプロデューサーかはわからないけど、’一定以上に表現にこだわってるのがわかる程度にテイク数が多い’とは言えるでしょう。

オートメーション

オートメーションはさほど書き込まれてない
オートメーションはさほど書き込まれてない

重ね重ねこれが実際のリリース時のデータかどうかはわかりませんが、基本はボーカルの音量調整用途のオートメーションって感じ。
このスクショのちょうど中央付近で音量が激しく操作されてるのは、ヘッドフォンからのリークを音量操作でミュートしてるっぽい。言われてみれば、ミュートスイッチOn/Off用のオートメーションラインを増やすよりボリューム操作に一本化したほうが視認性は高いか…。
ボーカルパートのオートメーション例でたまに見かける、1音ごとオートメーションで音量調整する…といった状態にはなっていませんね。日本語と英語の差、コンプのかけ録りの絶妙さ、オケの大人しさのお蔭、といった要因かもしれませんし、単純に処理済みのオーディオデータを持ってきているのかもしれません(だとしたら1個のオーディオファイルになってるべきで、このデータだとテイクフォルダになってるのが不自然)。あるいは、この曲で大事なのはそこではない、ってことなのかも。だいぶ前ですが、デヴィッド・ボウイの歌は仮に音やタイミングを外していても直さない、と仰ってたのを思い出しました。

管理状態

配布するためのデータだってこともあってか、各トラックの名称、トラックの並び順、リージョンの名称、アイコンの状態は完璧。
つまり例えば再生させながら「おや?」と思ったときに、それをすぐ特定できる状態になっています。
声パートなら声パートでまとめられ、曲の展開がマーカーで入力され、リージョンが区切られて重なりがないというのは、効率よく作業を進めるために結構大事。効率よく進められれば、短時間でより完成度も追求できるわけですから(とはいえ、リップノイズの生々しさを愛するファンの方もいらっしゃるので、完成度とは何だろうという思いもあります)。


他に思うことなどありますが、あとはひっそりと思うことにします。書いたほうが脳のメモリ的にはいいんでしょうけど(「あとでやるので覚えておこう」は脳のメモリーをロックするからコスパが悪い)。

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