BABY Audio “TAIP”

わりと頻繁に製品をリリースする印象のあるBABY Audio、今回の新製品はAIを組み込んだというテープシミュレーター TAIP 。今ひとつAIの必然性を感じないのですが、元の機材に関する誤った理解を元にしたDSPエミュレーションを構築するより、加工前後の大量のデータをAIに食わせて勉強させたほうが正しい結果が得られるのではないか、というような考えらしい(こうした解説は、実直に綴られているときもあれば、必ずしも嘘とは言い切れないレトリックであるときもあるんで、参考程度に読むほうがいいでしょう)。同じ理屈で言えばAIに関しても正しい理解を元にしなきゃいけないことになりますけど…まあ、うるさいこと言うのはやめときますか。
蛇足ですが、BABY Audio自体に対する僕の印象は以前よりずいぶん良くなってます。モノマネ製品が多い昨今、製品出すごとに発想のユニークさが強まってきてるメーカーは貴重です。

実際に試した印象は、競合製品とそう大きく変わらないけど質感が少々違って、だけどテープっぽいかというとデジタル感は残っちゃう、って感じ。あの、ネチッとした強さが出てくるわけではないですね。
その代わり、LO-SHAPE, HI-SHAPEやGLUE、WEARの組み合わせで、チープなコンプのシミュレーションっぽさが出るので、そのほうが面白みがあると思いました。

定価が$69で、イントロ価格が$39となっています。国内での扱いはまだ無さそうなので、メーカーサイトでお求めになるとよろしいかと。