Baby Audio “Humanoid”

Baby Audio “Humanoid”

週明けからハードな頭脳労働が続いてまして脳疲労気味ですけども、気づいたらBaby Audioから新しいエフェクトプラグインHumanoidがリリースされてました。
超大雑把にいえばボコーダーなのですが、ピッチ補正や追加エフェクトも搭載し、かなりバリエーション豊かな出力をもたらしてくれそうな印象。
いつもはイの一番にPlugin Boutiqueに並ぶBaby Audio製品ですが、今のところまだ店棚に並んでいないようです。

情報

  • Windows, macOS対応
  • VST, VST3, AU, AAX
  • 定価$129、イントロ価格$79

追記:ちょい時間差でPlugin Boutiqueに出てたみたい。思ったより日本円にすると高いですね…。

機能、操作感

デモ版を落として動作確認してみると、起動直後のプリセットが、ピッチ補正の施されたボコーダーというか、いわゆる近年よく聞くタイプの加工ボーカルサウンドで、ソフトの実力を推し測るにはちょうどいい。第一印象では少し帯域が狭いかなと印象を受けました。
パラメーターは、とりとめなく並んでいるように見えましたが、必要なもの、「あれがあったら」と思うものがほぼすべて搭載され、(詳細設定をすべて拡張画面内に追いやっているせいもあって)わかりやすく並んでいます。したがって導入から利用に慣れるまでの時間もぐっと圧縮されますし、他の複数のプラグインエフェクトの出番を奪うかなという印象も。

MIDI入力を受けるタイプの用法として、LogicではMIDI制御エフェクトとしてサイドチェーンにボーカルトラックを指定する使い方になります(もとのトラックはミュートしてもかまわない)。和音もOK。
そうしたタイプのエフェクトではこれまで、楽曲の途中で使用モードを変えると無音になったりするため、結局必要分トラックを複製しなくてはいけなかいなどのもどかしさがあったのですが、たとえばそのMIDI入力を通常のScaleに切り替えてもきちんとサイドチェーンの信号の音程を拾って想定通り機能してくれます。ユーザーフレンドリーとはかくあるべし、という主張が感じ取れます。

シンセサイザー部、あまりきっちりと確かめる時間がなかったので現段階での推測混じりの話になりますが、そもそもがスペクトルベースに帯域の広いボーカルを畳み込んで、かつシンセ音と反応させるって理屈と思われるので、シンセの波形を切り替えたり波形を変形させたところで出力結果にはさほど大きな変化がありません。
ただし、それは中央のtransformを左に振り切ったときの効果であって、このパラメータを適宜調整してみると、効果はかなり衝撃的に聞こえるはず。カズーやセロファン越しに喋っているかのような、あるいはかつて通信に使われたプロトコル越しの音声を聞かされてるような気分になります(線形予測符号?)。
なんにせよ、自分がこれを導入して最初に活用するのはこの機能だろうなと。

ちょっと気をつけたほうがいいのは中央下部のフェーダー。これはSynthesizer機能のDry/Wetであって、入力音声と加工済み音声とのDry/Wetではないこと(outputの詳細設定の中にDry/Wetがある)。
むしろSynthesizer機能のDry/Wetを0%にすると、若干転送率低めの声にはなるものの、入力音声にかなり近い音声で右下のEffectsをかけられるため、歌をわざとよれよれにするようなこともできます。まあそれを言ってしまえば、いっそ歌じゃない入力信号をチョイスしてみるのも新しい発見が得られて面白いかもとは思います。
オートメーションパラメータもばっちりです。
フィルタ部分のみ使えばラジオ音声、スピーカー音声みたいな加工もできますし、既に書いたように、他の複数のプラグインを追加で差さずとも一台何役をまかなえるようになるでしょう。

こういう音声加工を好む方には即ポチでいいんじゃないかなと。もう少し色んな可能性を探ってみたい方はいったんデモ版を落としてみるとよいでしょう。