AutoTune “Metamorph”

Antares Audio TechのAutoTuneにMetamorphなる技術がBlack Friday合わせで登場したようですね。
ボーカル置き換えツール…のように見えて、モデルの声質を真似るようなツールかな、という印象です。なのでたぶん日本語の歌でも大丈夫な気がします。
AutoTune Unlimitedの一部として提供され、永続ライセンスは$100(定価$200)。
デモ音源を聞くと、随所でピッチがヨレて聞こえたりしていますが、加工音声らしく聞こえさせるならこれでOKだと思いますし、厳密に別人が歌ったように聞こえさせたいならほかの競合ソフトを使うほうがいいんでしょう。
細かく仕様を読んだわけではありませんが、差分をパラメータとしてAutoTuneおよびその関連技術内に反映させるという、イメージとしてはかつてのボカリスに近いような印象。
あくまでAutoTuneとしては倫理的な範囲を逸脱しないAI技術としての位置づけであり、モデルとなったボーカルアーティストたちにはギャランティが支払われています。
といったとこで蛇足。運用面のこと(=利用現場)が脳裏を過ったので。
つまり自身の歌唱のピッチ補正や声質の”若干の補正”ってラインを踏み越えるような加工を容認しないボーカリストもいらっしゃるので、AI技術の倫理的側面をまず踏まえつつ「対象のボーカリストの尊厳を侵さない」点も(当面)無視できないわけですよね。作曲者自身の声を加工するならまだしも。
そうした容認ができないボーカリストの出番が薄れる可能性もあり、AI技術側が二の足を踏む市場縮小する可能性もありですが、AI隆盛のさなか、後者の可能性は薄い。前者に傾いていく可能性のほうが高いかも。