【メモ】Audiomodern 社のフリーウェアの微妙な仕様の差異

フリーウェアのわりに重宝してるソフトなのですが、どうも微妙な仕様の違いにより操作ミスすることが多いので、メモしておきます。
「オートメーション不可」としたものは、DAWから直接オートメーションできないもの。設定でMIDI CCをアサインすればMIDI オートメーションできるものもある

Filterstep

FILTERSTEP by Audiomodern™ | The Creative Motion Filter
FILTERSTEP by Audiomodern™ | The Creative Motion Filter
  1. 情報
  2. 初期化
  3. BPM(プラグイン動作時はDAWに追従)。スタンドアローン時、小数BPMはたぶん⌘+ドラッグで行われていると思うが、実際の値が表示されないため定かでない。
  4. アンドゥ
  5. プリセットタブを開く(後述)
  6. セッティングタブを開く(後述)
  7. リサイズ [Collapse]:オートメーション対象だが、意味はない
  8. ランダマイザー:左側の3つのボタンはディレクション(再生方向)で、上から順に、往/復/往復[Direction]。ランダマイザーボタン自体はオートメーション不可。右側の矢印はリセット
  9. 自動生成[Infinity]:シーケンスがケツまで行くと新しいパターンを自動生成。右側の数字は更新スパン[Number Before Infinity](2にするとケツまで2度到達したときにパターン更新;1〜64)
  10. フィルタータイプ[Type of Filter]:ハイパス、バンドパス、ローパス。値の型が合わず、オートメーションを記録できない(手書きはOK)。
  11. 上から順にスムーザー[Smoother](変化をヌルッとさせる)、レンジ[Filter Range](変化幅)、レゾナンス。LogicのMIDI FXのターゲットに設定できる
  12. 上段左はバイパススイッチ[Bypass]、その右はバイパス用Touchボタン(オートメーション不可;バイパスを示すアイコンと思われる)[Bypas Across(原文ママ)]。下段はDry/Wet(水滴=Wetを示すアイコン)
  13. クオンタイゼーション[Quantization]:分解能。1/2〜1/64
  14. シーケンスのステップ数[Sequence Size]:2〜64
  15. ロック:これをOnにしたあと、下部のステップをクリックすると、クリックしたステップの足元が黄色く点灯し、ランダマイズやインフィニティ(9)およびドロー時の対象から外れる。その隣はリセット(ランダマイザーボタン右のリセットとアイコンが異なるのでアンドゥと勘違いするかもしれない;注意)
  16. シーケンスのループレンジ。オートメーション不可。ステップ数(15)を変更するとレンジが狭まることがあるので注意。
  17. 両脇の矢印はシーケンスパターンを左右にスクロール(ラップアラウンド)
  18. 個々のステップのバイパスボタン。バイパスするとランダマイズやインフィニティ(9)の対象から外れる
  19. バイパスボタン(18)をすべてアクティブにする
  20. ステップ値
  21. クイックロードスロット(次項参照)

プラグインフォーマット(AUのみ?)の仕様により、再生中にソングポジションを変更してもシーケンスが追従してくれない場合がある点に注意。それが作業の障害になるようなら、トラックフリーズしておくといい。

プリセットタブ

名前をつけて、設定内容を保存する。プリセットを呼び出すには項目をダブルクリック。
またクイックロードスロットで「+」状態のボタンを押すと、設定内容がそのスロットに保存されてナンバリングされ、そのナンバーのボタンを押せばステップ内容が切り替わる。ただしオートメーション不可。消したり、アサイン変更(重複不可)するにはプリセットタブを開いて行う。

セッティングタブ

MIDI CCやCCマッピング、またスタンドアローン動作時にはAudio/MIDIの入出力設定なども表示される。
上述のオートメーション不可項目はここでCCをアサインすることで操作可能になる。CC#部分をクリックしてアサイン。重複可。Switchと名の付いたコントロールのみトグルっぽい。
Audio Units環境(DAW不問)では、FilterstepがMIDI制御エフェクトに対応するまで利用不可。VST/VST3環境は問題なし。


Gatelab

GATELAB by Audiomodern™ | The Creative Gate Sequencer
GATELAB by Audiomodern™ | The Creative Gate Sequencer
  1. 情報
  2. BPM(プラグイン動作時はDAWに追従)。スタンドアローン時、小数BPMはたぶん⌘+ドラッグで行われていると思うが、実際の値が表示されないため定かでない。
  3. アンドゥリドゥ
  4. プリセットタブを開く(後述)
  5. セッティングタブを開く(後述)
  6. リサイズFilterstepと違い、オートメーション不可。
  7. Flowモード/Gateモード:Gateモードでは個々のステップに中間値がなくなり、All or Notになる
  8. ランダム度:オートメーション不可
  9. ディレクション(再生方向)。左から順に、往/復/往復[Direction]。オートメーション不可。値の型が合わず、オートメーションを記録できない(手書きはOK)
  10. ランダマイザー[Global Dice]:オートメーション不可
  11. リセット
  12. 自動生成[Infinity]:シーケンスがケツまで行くと新しいパターンを自動生成。右側の数字は更新スパン(2にするとケツまで2度到達したときにパターン更新;1〜64)で、Filterstep, Panflowと違い、オートメーション不可
  13. バイパススイッチ[ByPass(原文ママ)]、その右はバイパス用Touchボタン(オートメーション不可;バイパスを示すアイコンと思われる)[ByPass Across(原文ママ)]
  14. ステップ値分割。各ステップの下部を上下にドラッグすることで分割数が決まるほか、(20)の値を大きくしておくと、ランダマイザーの影響を受けやすくなる。ステレオ時、右端にコピーアイコンが表示される。両端の左右矢印でスクロール(ラップアラウンド)。個々のステップのゲートタイムは今のところ変えられない
  15. モノ/ステレオスプリット。完全ステレオスプリットなので、ステレオウィズスを変更したければ別のプラグインエフェクトを使用すること。ステレオ時、編集時に左右リンクするLボタンが表示される
  16. シーケンスのループレンジ。オートメーション不可だがMIDI Learnで設定可能。ステップ数(18)を変更するとレンジが狭まることがあるので注意
  17. クオンタイゼーション[Quantization]:分解能。1/1〜1/64
  18. シーケンスのステップ数[Sequence Size]:2〜64
  19. ロック:これをOnにしたあと、下部のステップをクリックすると、クリックしたステップの足元が黄色く点灯し、ランダマイズやインフィニティ(12)および書き込み時の対象から外れる。Filterstep, Panflowと違って、ループレンジ外はロックされていなくてもランダマイズやインフィニティ(9)の対象から外れる(ただし、ドローはロックされていないものもできる)
  20. デンシティ(密度):ランダマイザーから受ける分割(上述)の影響度。色覚検査みたいなアイコンはデンシティ限定のランダマイザー。右側の矢印は分割のリセット
  1. プリセットパターンを開く(右図)
  2. ディスインテグレーション[Disintegration]:(12)とその数値に従って、ループを繰り返すごとにステップの値を漸増(左)/漸減(右)させる。漸増時はいずれかのステップがMaxに達したところでストップ。漸減時はすべてが0になる
  3. スムーザー[Smoother](変化をヌルッとさせる):ゲート時にグリッチが発生するようであればわずかに上げておくとよい
  4. シャッフル[Shuffle]:スウィング/バウンス/シャッフルさせる。(17)を三連符(T)に設定しているとき、三連符でないときと同様交互にゲートの長さが変わるため、面白いパターンが作れるかもしれない
  1. Dry/Wet(水滴=Wetを示すアイコン)
  2. MIDIコントロール設定を開く(右図):On/Offスイッチは、左がOn。(15)がStereoのとき、(14)の上下段をMIDI ch1,2に個別に送信できる(VST/VST3のみ)。MIDI情報は、CC Rangeでの設定にスケーリングされ、ここで指定したCC#で出力される。したがって、受信側のソフト音源の設定次第で、Gatelabが送信したCC#を、フィルターやボリューム、エフェクトセンド、ミュートスイッチなど、自由なパラメーターに対して反映できる。
  3. クイックロードスロット(次項参照)
  4. MIDI Learn(次項参照)

プリセットタブ

名前をつけて、設定内容を保存する。プリセットを呼び出すには項目をダブルクリック。
またクイックロードスロットで「+」状態のボタンを押すと、設定内容がそのスロットに保存されてナンバリングされ、そのナンバーのボタンを押せばステップ内容が切り替わる。ただしオートメーション不可。消したり、アサイン変更(重複不可)するにはプリセットタブを開いて行う。

セッティングタブ

MIDI CCやCCマッピング、またスタンドアローン動作時にはAudio/MIDIの入出力設定なども表示される。
上述のオートメーション不可項目はここでCCをアサインすることで操作可能になる。CC#部分をクリックしてアサイン。Filterstepと違い、重複不可。
Audio Units環境(DAW不問)では、GatelabがMIDI制御エフェクトに対応するまで利用不可。VST/VST3環境は問題なし。

MIDI Learn

一般的なMIDI Learn手順とほぼ同じで、Learnボタンを押したあと、操作したいコントロールをいちどクリックしてから、MIDIキーボードのモジュレーションホイールなりサスティンペダルなり、何らかのノブ/フェーダーをクリックすればよい、らしいが、今のところうちではLearnしてもらえていない(VST/VST3でも)。


Panflow

Panflow by Audiomodern™ | Creative Panning, the Clever Way
Panflow by Audiomodern™ | Creative Panning, the Clever Way
  1. 情報(右上の𝑖も同じ)
  2. BPM(プラグイン動作時はDAWに追従)。スタンドアローン時、⌘+ドラッグで数値の変更が遅くなるが、小数値は直接入力のみに対応するようだ。
  3. アンドゥリドゥ
  4. プリセットタブを開く(後述)
  5. セッティングタブを開く(後述)
  6. リサイズ:Filterstepと違い、オートメーション不可
  7. 1サイクルの長さ
  8. グリッド分解能):Filterstep, Gatelabのマニュアルと違い、分解能と記されているが、オートメーションパラメーター名はQuantizationとなっている。
  9. ランダム度
  10. ランダマイザー[Global Dice]:オートメーション不可
  11. ラインタイプ:ポイント(点)を設置するときのペン形状
  12. 自動生成[Infinity]:シーケンスがケツまで行くと新しいパターンを自動生成。右側の数字は更新スパン(2にするとケツまで2度到達したときにパターン更新;1〜64)で、オートメーション可能
  13. バイパススイッチ[ByPass(原文ママ)]、その右はバイパス用Touchボタン(オートメーション不可;バイパスを示すアイコンと思われる)[ByPass Across(原文ママ)]
  14. スムーザー[Smoother](変化をヌルッとさせる):ゲート時にグリッチが発生するようであればわずかに上げておくとよい
  15. ポイント(点)を設置する時にグリッドにスナップする
  16. ロック:これをOnにしたあと、ポイント(点)をクリックするとハイライトし、ランダマイズやインフィニティ(12)および書き込み時の対象から外れる。ロック中はポイントを動かせないので注意。
  17. プリセット形状ポイント設置時のペンの持ち替えではなく、カーブが全面書き換わるので注意。オートメーション、CCアサイン不可。
  18. リセット
  19. Dry/Wet(水滴=Wetを示すアイコン)
  20. ドロースペース:Logicと同様、上がLeft、下がRight。
  21. シーケンスのループレンジ。オートメーション不可だがMIDI Learnで設定可能。ステップ数(18)を変更するとレンジが狭まることがあるので注意
  22. スレッショルド:一定の入力値を上回ったときのみ反応させられるようになる。MIDIパラメーターとしてリバース・スレッショルドが用意されているが、標準の画面では動作を確認できない(オートメーションではOn/Off)。おそらく、一定の入力値を下回ったときに反応させられるものかと思うが不明。
  23. スケール:上下端をドラッグして範囲を指定できるとのことだが、Logicでは操作を受け付けない。MIDI CCでは操作可能。
  24. パンニング・カーブを連動:オートメーション可能。
  25. クイックロードスロット(次項参照)
  26. MIDI OUT : Gatelab同様だが、1チャンネルのみ出力可能, MIDI Learn(次項参照)

オートメーション項目にTensionとあるが、用途不明。

プリセットタブ

名前をつけて、設定内容を保存する。プリセットを呼び出すには項目をダブルクリック。
またクイックロードスロットで「+」状態のボタンを押すと、設定内容がそのスロットに保存されてナンバリングされ、そのナンバーのボタンを押せばステップ内容が切り替わる。ただしオートメーション不可。消したり、アサイン変更(重複不可)するにはプリセットタブを開いて行う。

セッティングタブ

MIDI CCやCCマッピング、またスタンドアローン動作時にはAudio/MIDIの入出力設定なども表示される。
上述のオートメーション不可項目はここでCCをアサインすることで操作可能になる。CC#部分をクリックしてアサイン。Filterstepと違い、重複不可。
Audio Units環境(DAW不問)では、PanflowをMIDI制御エフェクトとして扱うことで使用可。VST/VST3環境は問題なし。

MIDI Learn

一般的なMIDI Learn手順とほぼ同じで、Learnボタンを押したあと、操作したいコントロールをいちどクリックしてから、MIDIキーボードのモジュレーションホイールなりサスティンペダルなり、何らかのノブ/フェーダーをクリックすればよい。


パラメーターの名称と対応状態

いよいよカオスっぷりに頭がパンクしそうになってきたので、表にまとめました。

Google Driveでご覧になりたい方は、こちら(https://docs.google.com/spreadsheets/d/10Sqj9WwBBjKGq_dyc3r0mV9Oj5B91njuoZM8qh2W4Pg/edit?usp=sharing)からドゾ。

ユーザーにとって「こうなっているとイイ」と思う点としては、

  • コントロールの配置は一貫しているのが望ましい(ex. MIDI Learn, Reset)。またDirection(Motion)のように順に並ぶものは、並び方が同じなのが望ましい(Forward / Backward / Back & Forth)
  • マニュアルおよびプラグインウィンドウのコントロールと、対応するオートメーションおよびMIDI CCのパラメーターは同じ名称、かつ欲を言えばDAW等で一般に知られている名称なのが望ましい(ex. 分解能(Resolution) <> Quantize/Quantization , Direction <> Motion, Feather Control <> Smoother, Randomize <> Random Dice <> Global Dice, etc.)
  • PanFlowのReverse_Threshold, Tensionのように、パラメーターがあるのにマニュアルで説明されていない、またはウィンドウ上で判断できないのは好ましくない
  • GatelabのDisintegration / Growのようにトグルスイッチ状なのに、別々にOn/Offで切り替わるのは好ましくない
  • 他社のソフトもそうだが、コントロールされるパラメーターの「値」が、DAW上のオートメーションに値として表示されてくれると有り難い

といったところ。デザインがミニマルで良いだけに、ユーザーが勘違いを起こしやすい。
シリーズもの(と思われる)ので、一方のソフトではこうだが他方のソフトではこうだ、となっているとユーザー的には混乱しやすい。AudiorityやGlitchmachines等のソフトも、見た目の統一感に反して動作が微妙に異なったりします。開発側が慣れてきた段階で少々時間をかけて整理したり、構造を見直したりってことが非常によくあるので、今はまだその過程だってのは非常に理解できるのですが、そうなると問題は、以前DAWで作った曲の鳴り方が(プラグインエフェクトの仕様更新で)変わってしまうってことでもあります。後で開発者もユーザーも面倒にならないように、最新のソフトを開発した時点で旧ソフトの仕様を最新に合わせ、そんでユーザーに軽く詫び入れるってのがよく見る現実解のように思えますんで、ユーザー的には現段階ではなるべくこのソフトで自分の曲を作り込みすぎないように気をつけるか、なんとなく曲が姿になったらシーケンスをフリーズ化するなりバウンス・リプレイスしとくのがいいのかな、と思います。

所感

似たような見た目ながら微妙に仕様が違って少々紛らわしい(下線で記した)のを、フリーウェアってことで許容できるかどうかは、各々の制作スタイルとの親和度または使用頻度次第と思われます。少なくとも、うちでは重宝しているぶん痛い。