apulSoft “splitS” – ディエッサー+α

apulSoft “splitS”

Wytse GerichhausenのYouTubeで取り上げられていたapulSoftのsplitSが面白そうだったので、うちでもデモ版をDLしてみました。2ヶ月ほど前にリリースされていたものらしいです。

De-Esserじゃないよ、と仰る。でもDe-Esserとして充分なほどに機能します。
マニュアルはデモ版(または製品版)をダウンロードすると、プラグインのインターフェース経由で読むことができます。

情報

  • Windows, macOS対応
  • VST3, AU, AAX
  • 定価$59、イントロ価格$41.3

機能、操作性

分離してバランスを取ることができるよと、フローチャートに示されたこれがすべて。AIなんか要らない…かな?
この検出に対してもう少しゆとりを持たせてあるのが特長ですね。「まあしょうがない」と諦めるにせよ、「あの手この手を使ってでもクオリティを向上できるはずだ」と奮闘するにせよ、これさえあればもうちょっとラクになると考えていいでしょう。

基本的な操作は、ディスプレイ左下のレンチマークつまり詳細設定を開くまでもなく、画面に表示された3つのフェーダーを操作するか、ハンバーガーアイコン(≡)内のプリセットを選んで終わり

シビランス(摩擦音、破擦音)の検出にあたって、従来のディエッサーは帯域を指定する必要がありましたが、どうもbright/darkのパラメータでわりと漠然と絞りこめるみたいで、意外とこれが最終的な出力結果を不自然にしないイイ効果をもたらしてくれてます。
検出に幅があるということは、入力される音声の言語つまり英語、日本語などによる検出精度の差異をユーザーの手で埋めることができるということでもあります。海外のディエッサーのプリセットは海外の人の発音、歌唱に合わせて少々効果が強めですし、帯域も少々広めにかかっちゃいますんでね…。

この手のソフトで心配なのが、毎回同じ結果を出力してくれるのかどうかですが、うちで試したところ、全く同じ結果を出力してくれました。したがってシビアな現場や冒険的な場面でもよけいな事後処理や工夫を要することなく活用できそうです。
当然ながら男女ボーカルに限らず、エフェクト処理後のボーカルや楽器、効果音等にも使えます。

あとバランスを取るための右端のフェーダーですが、これはパーセンテージではなく単純に音量のようです。歌のダイナミクスの大きな曲、またはそうした歌唱の癖のある人だとちょっと向かないかもしれません。