Applied Acoustic Systems “Ultra Analog VA-2”

既にだいぶ前にアップデートで登場している VA-2。

年末年始セールに踊らされる私

Applied Acoustic Systems(以下’AAS’)の製品としてはLounge Lizardを愛してやまない僕。
かつてそのLounge Lizardがアップデートをリリースした際、期待に反するように自由度の格段に落ちた変貌を目の当たりにしてひどく落胆し、前バージョンを瞬時に掘り起こしてダウンデートしたのであった。
その憤懣たるや、Ultra Analogのアップデート案内メールをも届くやいなや破棄する勢いだった。

比較的時間に余裕のあった昨年暮れ、新たに届いたAASの年末年始の値引きセール案内にしばらく振りに目を通した。
値引き対象の音色セットをサイトで試聴して、
「機能は優れているっぽいな、もしかしたら操作性もいくぶん改善されているかも」
と、アップデートに踏み切ったのだった。

AASにはModelling Collectionという製品があって、これにはUltra Analogが含まれている。
実は遥か昔にこのModelling Collectionを購入していて、この年末年始のセールでさらに安い価格でアップデーターを購入することができた。

操作性の確認

はてさて動作やいかに。

プリセット音の出来にポテンシャルは感じるし、操作の幅も非常に大きくなったようだ。
が、Lounge Lizard同様、Play, Edit, Effectに機能を分けたことで一覧性が大きく損なわれている。
“切り替えないと確認できない”各オシレーターの設定値に軽くイラッ。
ユニゾンやポルタメントを設定するのにplay画面に切り替える必要があるところにイラッ。
と、音色を自作しながら気が遠くなっていく瞬間がたびたびあった。
エディットしにくくすることで、プリセット音色購入による売上向上を狙っているんじゃないか…そんな陰謀論まで頭をよぎる始末。

Xfer RecordsのSerumも同じように画面を行ったり来たりするし、Reveal SoundのSpireにしたってNative InstrumentsのFM8にしたって音色レイヤーのエディットを行うために画面の切り替えは必要で、だけどこういうイラッとする感覚はなかった。
Lounge LizardもUltra Analogもパーツがそれぞれデカかったり、何の機能も持たないものがイタリアンデザインよろしく画面の大きな部分を占めていたりする。
とはいえ何の機能も持たないものが大きな顔をしているのはSpectrasonics製品もそうで、だけど慣れたせいもあるかしれないがイラッとはしない。
おそらく単純に、前バージョンの一覧性に僕が満足していたんだと思うに至った。
個々のノブやボタンの極端な小ささは操作性を損なっていたが、何がどこに影響しているのかがわかりやすかった。
もっとも、ステータスバーその他もろもろの配置配色はダサかったし、字もすこぶる見にくかったわけだけど。

操作性は諦めて、プリセットを読み込んで使うものと割り切ったほうが、楽曲制作中の萎えを防げていいと思う。

なお、似た位置づけのものとしていま僕の手許にあるのがFxpansionのStrobe2。
これとの比較もついでに書いておくと、TychoみたいなSynthpopめいたトラックを作るのには双方とも便利。Strobe2のほうがエッジの利いたプリセット揃いであるため今っぽい楽曲制作に向いていて、VA2のほうはアンビエント的なサウンドデザインに向いている気がする。

操作性 ★☆☆☆☆
レスポンス ★★★★☆
音質 ★★★★★