Applied Acoustic Systems “Chromaphone 2”

Chromaphone を Chromaphone 2 にアップグレードしました。
キャンペーンは4月に終わっていたので、現在は4,000円ちょっと。

もともとアップデートする気はそんなになくて、どうせ例によって他のシンセとUIが統一された程度で、音質や使い勝手が向上することもなく視認性が低まったに過ぎないだろうと思ってました。

AAS製品のデモ映像は、以前からかなり腕の立つ方が担当されていて、製品能力を存分に活かしたデモンストレーションを見せつけてきます(とはいえ玄人好みの傾向が強いので、こちらがあまり興味ない製品のデモとなるとイマイチ伝わってこない)。
Chromaphone 2においても、僕にとっての決め手はデモ映像でした。ラテンのグルーブを鍵盤で実現するのズルいわあ。

Chromaphone 2 のインターフェイス

Ultra Analog VA-2やLounge Lizard 4同様のヴィジュアルになりました。

  • Applied Acoustic Systems “Ultra Analog VA-2” – makou’s peephole

率直に言って、作り込み要素の優先度を下げたインターフェイスは好きじゃなくて、それはLogic Pro Xの純正プラグインシンセであるVintage B3, Vintage Clav, Vintage Electronic Pianoも同様。
ただまあ、制作環境での画面サイズは今どきのソフトのUIデザインにおいて悩ましい問題だと思うんで、これを正解と打ち立てたのであれば、ユーザーとしてはなるべく早く慣れるのが穏当です。

Chromaphone 2のPlay画面
Chromaphone 2のPlay画面
Chromaphone 2のEffects画面
Chromaphone 2のEffects画面

粒度が格段に上がったサウンド

非常に驚いたのが、サウンドの質の向上。
そのぶん処理も重くなっていますが、粒度が格段に上がっていて高域に伸びがあります。
SnareやHi-Hatsのバンクが本バージョンで加わっていますが、ぶっちゃけサンプリング素材よりよほど品質がイイとすら思います。
たぶんエミュレーションの機能が向上したのに加えて、搭載されているReverbとの相性がいいのでしょう。

旧バージョンでは、4段階あるクオリティパラメータを最高にしてもイマイチ抜けが悪くてアンサンブルに使いにくかったのですが、本バージョンでは帯域が広くなってエミュレーション感がほとんど無くなっています。
眠い音色は眠い音色のままです。ザラつきを与えるパラメーターがあってもいいんじゃないかなと。

Hi-Hatsの音色、さっき賞賛しといてアレですが、高域でサチってますね。他の音色でもこれが起きてる可能性あります。バンドパスや何らかのpsychoacoustic系のフィルタとの併用が必要かもしれません。

やっぱり重い。
サウンドはよくなったものの、(エンベロープのリリースを含めて)ポリ数を消費するような演奏内容、たとえば重厚なパッド、アコースティック・ギターなんかだと負荷が凄まじく、小まめにバウンスするなど自分の環境での使い方を定める必要がありそうです。
つまり何となく導入するものとは言い難く、必要になった段階で食指を動かすのが妥当かと思われます。