【動画ネタ】Anthony “TBeatz” Burns

スティックトリック、変則セット、ハイパワー、高速フレーズ、高速ポリリズム、目隠しプレイとドラマー界隈は変態パフォーマンス真っ盛りといった昨今です。そんな中、ちょっと面白い人だなと思わされたのが Anthony “TBeatz” Burns 。

と、その前に。先日見たPaul Werticoのデモンストレーション動画中、最後のほうでドラムセットを布で丸ごとミュートして赤いバトンで叩く(Paul Wertico: Appearance Modern Drummer Festival 1997 – YouTube)ってのがあって、もはや新しい楽器だと思わされましたよ。いっそサウンドホースをビュンビュン回しながら叩いてくれてもいいのに。

で、Anthony Burnzの動画で最初に見たのが、Guitar CenterのDrum-Offってイベントでのプレイ動画。

Guitar CenterのDrum-Offには若くて(ネタ的に)面白いプレイヤーがバンバン参加しています。
ここでのAnthonyのプレイはパワープレイとオモロネタに終始していて精度もそこまで高くなく、上手いけどフザけたヒトって印象です。
(Anthonyの名前を検索して引っ掛かるのは彼のFacebookアカウントで、Flight Drum Fest 2013のフライヤーが上がってます。これがどういう規模、コンセプトのイベントなのかわかりませんが、この協賛欄の中堅メーカー一覧を見ると何かこう棲み分けのようなものを感じます。)

次の動画を見るとAnthonyのアドバンテージって拍子の解釈じゃねーの?という気も。ただ、そうなると俄然インテリじみて見えて嫌悪感を抱く人も多いかもしれません。僕は拍子の解釈って大好きなのだけど。理由はたぶんあとで書く。

近年やたら増えた感のある6/8拍子。切り方が変わる50秒辺り、4拍子に変わって切り方が小賢しくなる1分15秒、6/8拍子の切り方が5*4+4という中をフィルで埋める1分43秒…あげるとキリがないんですが、変拍子に順応して飛び回れる脳味噌の強さを感じますね。
東海岸のアバンギャルドさを残しつつ西海岸のキザっぽさを残した変拍子。かつて神保彰氏や則竹裕之氏が演奏した、キーボーディストの石黒彰氏作曲によるCyber City Slickerが連想されました。オールインワンシンセ的なオケだからかな…。前に少しだけツイートしたことがありますけど、TVビフォー・アフターの松谷卓氏や大昔のTVゲームのシャイニング・ウィズダムの武内基朗氏の作のように、調性ガチガチでリズムに揺れのない=タテヨコガチガチでインテリジェントな変拍子打ち込みが好きなので、その理由で惹かれたのかも。響きはもう少しdissonantなほうが好きですけども。

話ついでに。Anthonyの少し前に面白いドラマーだなあと思ったのがBenny Greb。これ(BENNY GREB STYLE RIM CLICK PATTERNS – YouTube)みたいに、Benny自身が色んな人を研究した動画を上げたりしているのに、Bennyを研究した動画も上がるという羨ましい状況になってます。

Pete LockettがTabla叩いてる動画のほうがスタンダードで画質もよかったのだけど音ズレがひどかったので、こっち↑の動画にしておきます。
そういや、ドラムを布でミュートするのはBennyも他の動画でやってますね。とにかくこの人はドラムでどんな音を出せてどんなフレーズを作れるのかって方面に強みを持っていて、見てて飽きないなと思いました。
それにしても素晴らしい音のボンゴである…。

タテヨコガチガチに対応できる人が好きってのもあるのだけど、発想を煽ってくれる、現実としては発想で煽り合える人がたぶん好きなんだろうなと今自己分析してます。シンバルを下から叩くとかタムを変なとこにセットしてるとかは、どっちかというとドラマーが自分自身にスポットライトをあてるようにするアピールだと思うのだけど、それよか他の楽器とのコンビネーションでワクワクできるほうが興味をそそられる、そんな感じなのかな。玄人好みというか、”一般的に見て面白い”メンバーが一人でもいればライブに足を運んでくれるお客さんが増えるだろうっていう戦術と真逆の嗜好になっている自分を残念に感じるのだけど。

拍子の解釈に注目するのが好きってのはその玄人好み的な面もあるかと思われます。
加えて言えば、おそらく拍子が変わることで自分が当然のように考えていた何かが通用しなくなることが面白いみたいな(たとえば奇数拍子だと2拍3連の場所を選ぶ必要が生じるとか;むしろ小節線を跨ぐ2拍3連って新鮮な感覚かもとか)。頭を捻らざるを得なくなる、それをセッションタイムでやっていくと自分の反応速度が上がっていったり、ゆくゆく自分の創作にも好影響を与えてくれるだろう的な期待があるのかもしれません。