Accusonus Rhythmiq 試してみた

Accusonusの Rhythmiq がAIを標榜してるので果たしてどのくらい即戦力なのかってんで試してみました。

Rhythmic is a “groundbreaking” AI beat assistant that lets you reshape your loops in real time | MusicRadarによると、使っている間にAIが学習して提案の方向性がユーザーの好みに向かって収束していくとのこと。

小一時間ざっと使ってみた感想としては、毎度昔のものを引き合いに出して申し訳ないんですが、素材を含めた仕組みとしてはSpectrasonics Stylus Remixのようでもあり、regroove的なエフェクターとしてはAudio DamageのReplicantのようでもあり。でも使われてる素材は当然のことながら”今時”なもの。
StylusやReplicantに慣れた人ならぱっと見で仕組みがわかるはずなので10秒くらいいじればすぐ使い始められるハズ。

画面構成は、上がディスプレイ、中段がBeat Assistant、下段に3つのStemとScene。カスタムでオーディオファイルをインポートする際にはファイルをドラッグしている最中にドロップ先が示されます。

DAWを再生すると、ループの再生が開始するとともに、MIDIキーに対応したスライスを指定して鳴らしてループに自分なりのアレンジを加えられるようになります。

中段から下の各ノブはスライスの指定ではなく各効果の強度(頻度)。
下段のArrangeとは再生位置の並べ替え、Reverseはその名の通り逆再生、Silenceは適宜スライス箇所を無音にするためのノブで、いじれば即、表示が更新されます。
中段のBeat Assistantはいわばそれをまとめて行なってしまうもので、ともすればただグッチャグチャなフレーズになってしまいそうなものを(たぶんAIと仰るアルゴリズムでもって)ナイスなフレーズに仕立てる仕組みと思われます。
紹介動画30秒付近で”This is how you create fills.”と言ってるのは、ノブを単純に回すだけで連打フレーズが鳴るのですというデモンストレーション(この動画、画面が小さい状態だと何だかちっともわからないので、PC画面等で確認することをオススメします)。

このベクトルの製品としてとても良いのは、生成結果が保持されること。
よくあるのは「生成結果が気に食わなけりゃ再生成すればいいぜ。たったいま作ったものは跡形なく消し去ってやるけどな!」「まさに外道!」ってタイプですけど、結局ノブは反映強度を司ってるので「もっと激しく! もとい、もっと優しく!」と行ったり来たりしても前のが残ってます。ナイス!
逆に言えばバリエーションが出にくいとも言えますが、「再生成してロクなものにならなかったら困るので、ここでやめておこう」とか余計なこと考えずに済むのは有り難い。

チュートリアル動画はAccusonusの製品ページに貼られているので、時間が許せばご覧になるとよろしいかも。

ちょっと気になったこと。
LogicとAbleton Live、Cubase 10で試してみたところ、VST3版だと同期落ちのようなグリッチノイズが鳴りますね。環境によるかもしれませんが、うちではAudio UnitsとVST版は大丈夫っぽい。
あとDAW停止中にRhythmiqのみを再生させながらDAWのBPMインジケーターをマウスでドラッグすると再生中の音源が再合成ノイズを発します。でもこれは、BPMインジケーターをマウスでドラッグした際に小数点以下が切り捨てられた結果BPMが階段状に変化してしまうDAW側の仕組みが原因だと思う(Cubase 10の場合BPMをスライダーで調整でき、この場合は小数点を扱うのでノイズが出ない)ので仕方ない。
仕方ないとはいえ、ライブでこのノイズが出てはたまらんので、

  • Rhythmiqのみを再生しながらDAWのBPMインジケーターを調整するようなことはしない(もしくはこのノイズ込みでパフォーマンスとする)
  • DAWのBPMはMIDIキーボードかそれに準ずるコントローラーのノブで入力する(機種によって結果は異なるかも)
  • DAWにBPMの変化をあらかじめ入力した状態でRhythmiqを使う

と、オーソドックスな使い方をすることで回避できると思います。
てか、DAW停止中のBPMのインジケーターの変化なんて、そんなシビアに追わなくていいんじゃないかと個人的には思いますがね。

3連のモードやスウィングはない(不要だと僕も思うけど、バージョンアップで対応するかもしれない)ので、うまくStem Reorder等を設定してやるか、むしろ3連と8分、16分が合わさった場合の崩れを込みで楽しむといいかなと思います。

全体として、実用面は個人的に保留と判断しますが、Assistantと呼ぶのに相応しく、楽しめるソフトだと思います。
偶然生成されたナイスループをMIDIデータとしてDAWにドラッグ&ドロップできるといいなと思いました(マニュアルを”Export”で検索したけど見当たらなかった)。

✎参考

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