abletunes “RVRB”

記事タイトルにサブタイトル書くべきか迷いつつ、これといって大きな特徴ないのでやめました。
abletunes “RVRB”。

サンプルパックやテンプレを中心に配布しているabletunesですが、シンプルなエフェクトも幾つか取り扱ってるみたいですね。
その最新作がこのRVRB。

押さえるべき機能をしっかり押さえ、インターフェイス的にも非常に見やすくまとまっていて扱いやすい。
INPUTのEQとDAMPINGがごっちゃになってるリバーブも時折ありますが、きちんと押さえられている上に見やすいので、響きを微調整するには有り難い。
面白いのがDecayとSize、Dry/Wetバランスが中央に置かれている点。この配置の意義をイマイチ掴みかねますが、それはそれとして、これ、DecayとDry/Wetの2パラメーターは再計算なくオートメーションかけられるので、XTRAのパラメーターも含め、EDM方面では活用しがいがあるでしょう。
そのXTRAのSoft Attackは、アタックの強いプラックサウンドやパーカッションのノイズっぽさを軽減するという地味に有り難い機能。たしかにこの一点でリバーブに悩まされる人は多そう。Tail ControlはGate Reverbみたいなもんで、これも面白い。Decayが長くなるとTail Controlが荒れるのは少々残念。
REFLECTIONは一般的なリバーブのパラメーターと変わらないので説明を割愛して、Comp。これも面白いです。細かいパラメーターがないので、少し歪みっぽい感じにはなります。
MODULATIONのFrequencyは20Hzまでいけます。Intensityも充分に効くので変な効果を狙うこともできます。

ERとReverbのアルゴリズムはいずれも多くも少なくもないバリエーション数で、この辺はもう少し奇をてらったものがあってもいいのかなって気がしますが、かわりにプリセットが充実してるので、ふつうに使うぶんには困らない。

かかり具合ですが、ぶっちゃけストリングスやピアノといったアコースティックな楽器の音にはあまり向かない印象ですね。今ひとつグッと来ない。ボーカルのハモりやシンセに向いてるといえます。
ハードウェアキーボード内蔵のリバーブっぽいといったら語弊があるかな、微妙にハウリング気味にかかっちゃうので、そうした響き(まとまり感)が好きな人はいいけど、音場のリアリティやダイナミクスが必要になる作風またはジャンルだと出番ないかも。
だけど一方、DAW純正のものをはじめとした一般的なお手頃リバーブレーターが、ショートリバーブに設定したとき妙に主張してきたりフランジング気味に響くことがあるのと比べると、RVRBはかなりナチュラルに響いてきて、好感持てます。
だからこそ、ERとReverbのバリエーションにはもう少し幅が欲しかった。

価格は$99と、ほどほどの値段です。
インストール後、LogicのValidatorが2度ほどValidateに失敗したので、もしかしたら環境によっては動作に問題出るかもしれません。いったんデモをインストールして動作確認されることをお勧めします。