8Dio “1971 Estonia Grand Piano”

以前に気になるってことで取り上げたこともある8dioの1971 Estonia Grand Piano。

作成中の曲のピアノ音色がどうも気に食わないので、Estonia Grandの音を参考にしようとサイトを訪れたときに、40%オフ(だったかな?)の文字が目に入り、セール終了まであと2時間ってタイミングでいきおい手を出してしまった。
残念ながらセールはもう終了してる。というか、こういう商法がすっかり定着してるね。釣られる自分も自分だけど。

1971 Estonia Grand Piano for Kontakt VST-AU-AAX
1971 Estonia Grand Piano for Kontakt VST-AU-AAX

ロード

.nicnt形式かと思ったら違ったので、Quick-Loadに登録した。
ググるとすぐ見つかるのだが、.nicnt非対応のライブラリーを.nicntに仕立てる設定ファイルが草の根で配布されていたりするので、どうも自分の環境のKontaktだとライブラリーへのアクセスが面倒くさいって人は調べてみるとよいのではないか(Kontaktなりライブラリーがアップデートした場合にどういう動作になるかは知らない)。

最近のKontaktは新しく加わったライブラリーファイルを一度スキャンするのか、新ライブラリーの初回起動がかなり重い(定かじゃない)ので、写真にちょっと写り込んでしまったSpitfireのAlbion Oneも実はたいそうな待ち時間を強いられてしまった。
Albion Oneを制作で使おうと思ったのが明け方近くて、ライブラリーの読み込みを待つ間に寝落ちしてしまったため、Albion Oneの中身はまだちゃんと見られていない。なのでレビューするにしてもまだ当分先かも。

質感と用途

結論から言ってしまうとかなり厄介な音。
くだんの曲への使用は諦めた。

いいのか悪いのか広がりがあり過ぎて位相がやばく曲に馴染ませにくい。
それから低域〜中低域がかなり薄い。細いのではなく薄い。遠鳴りに近い。
デフォ音色だけかな?と思ったけどマイクを切り替えても音色を切り替えてもそんな調子なので、こういう音と割り切るしかない。
ディケイの長いプリペアド・ピアノといったところか。
考えようによっては他に類を見ないキャラクターの濃いサウンド、響きなので、ボーカル曲のバッキングよりも、ファンタジーやホラー映画の劇伴、歴史映像のBGM、超スローなピアノアンビエントにはすこぶる合うと思う。お仕事お待ちしてます、なんてね。
そうさね、チェルノブイリ事故で人が住まなくなった廃墟の映像に寂しく不穏な音をあてるとか真っ先に思い浮かんだな。安直だけど。

ステレオスプレッドの調整が利くのと、スプレッドを狭めて帯域がいなくなる的な現象も発生しない(たまにそういう音源がある)から救いはあるのだけど、低域〜中低域の薄さはEQじゃ解決しにくい類いのものなので、どうしてもってときには何らかの妙技を開発して対応することになりそう。今のところローエクステンドを応用してどうにかしようと思ってる。

先ほどのスクショ右はエフェクトラックで、いかにも使いたくなる見た目をしているのだけど、基本的にKontakt内蔵のエフェクターの仕組みに上っ面を乗っけたものなので、特に驚くような効果があるわけではない。
とはいえコンボリューションリバーブのリソースはこのライブラリーによって提供されたものであり、空気感をぞんぶんに味わってインスピレーションを得るにはいい。


はてさて、いっときダークファンタジーっぽいベクトルで曲作ったりして今はもう飽きてやってないけど、これを機にまた何かしらシリアスなものに手を出そうかなと一瞬思った。一瞬ね。