作詞を向上させる10のTips

元記事は8月。書かれたのは日本での活動経験もあるシンガーソングライターのロビン・ユキコさん。元記事の写真は車の中で詞を書くボブ・ディランの姿とのこと。

Music Clout - 10 Tips for Better Lyric Writing
Music Clout – 10 Tips for Better Lyric Writing

ジャンルが世の中たくさんあるように、歌詞にも様々な書き方があります。対話っぽいものや文章の世界みたいなものから、詩的、抽象的、無意味なものに至るまで。どんなスタイルに仕立てるのであれ、あなたは自身の作をより一層イイものにしてゆくことができるのです。そのためのtipsを紹介したいと思います。

  1. テーマを持ちましょう
    テーマは、詞を退屈なものにしません。筋が通るようにするのです。
    “Somewhere Over the Rainbow”の歌やそこに散りばめられた単語(clouds, birds, stars, chimney tops)を思い浮かべて下さい。そこは聞き手という存在が吹き払われた、さながら架空の世界ですよね。
    [訳注:world-buildingは、物語の背景の辻褄合わせみたいなもののことだと思う。]
  2. 完璧な押韻に囚われないように
    dayとwayとか、runとfunとsunといった押韻。これらは文脈が充分に面白くない限り幼稚に聞こえてしまいます。もっと大胆に、そして縛りはもっと緩く考えましょう(fadeとwait、mineとkind、crazyとmaybeなど)。
  3. もっと興味を引く文脈にしましょう
    ベタなラブソングも、違った言い回しにしてみましょう。実体験や実際の会話、時には意外な比喩で象ってみるのもいいでしょう。
  4. 意外なところに押韻を仕込んでみましょう
    語中の押韻、文中の押韻など。骨格だけの歌に肉付けをするようなものです。
  5. 押韻に意外性を仕込みましょう
    Pat Pattisonの例を引き合いに出せば、”Mary had a little lamb, fleece was white as snow. And everywhere that Mary went, she sold the fleece to pay the rent. (メリーさんの子羊は雪のように真っ白な毛。メリーさんは行く先々で家賃の足しに羊毛を売っていた)”
    [訳注:日本でいう「誰うま」みたいな話。]
  6. 的確な音節に重心を作りましょう
    私はアラニス・モリセットを大好きなのだけれども、彼女には悩ましいクセがあります。アクセントの配置ズレ、それがド下手に見えてしまっていること、わかりづらくなっていること。Uninvitedという曲でun-FOR-tu-nateってアクセントになるべきところがun-for-TU-nateと歌われてるような。
    もし皆さんが作詞中に音節面で行き詰まってしまったなら、リズムのほうを変えてしまうことを躊躇わないで。必要なら調子を加えてもいいし、短縮語を用い得るなら使い、”that”など不要なものを取り除いたって構いません。個人的には、自然に話して違和感ない限り歌詞は大丈夫だと思っています。
  7. サビは平メロよりも馴染み深いものにしましょう
    厳密なルールではないのですが、平メロとシーンを隔てる手助けとなるでしょう。
  8. 冗長な言い回しは切り捨てましょう
    声に出して読んでみて冗長さがないか突き詰めましょう。もし見つけたなら(おそらくあるでしょう)、予想外なものでもいいから一言に集約してしまいましょう。
  9. 同じセクションに対して別バージョンを作りましょう
    いつでもオリジナルに立ち返れるのだけど、上記#5を試した上でどんな閃きが得られるかはわからないですからね?
  10. 宝箱の中のツールを活用することを恐れてはダメ
    同義語辞書や韻用辞書を活用しましょう。たとえ辞書で見つけた言葉を使うことはなくとも、別なインスピレーションにつながるのです。小節でも新聞でもfacebookのアップデートでもヒューマンウォッチングでもいい。
    [訳注:rhyming dictionaryはこういうもの]

おわかりいただけたでしょうか。もっとなんとかできるのでは?と常日頃自問することなのです。たいていの場合できるでしょう。だけどいずれは、新しい車になぞらえていえば、ドライブに使ってやって無事に辿り着けるか確かめないといけません。
実際に使ってみて、仲間や師と仰ぐ人に率直な意見をもらって、手を加えていきましょう。友達や家族のためにお披露目するのもいいのですが、一般の方々の賛辞には代え難いですね。
Neil Gaimanの言うような「Make Good Art」するのは最終的にはあなた次第。それが達成されたときに「ああ、これだったのか」と実感できるでしょう。
[訳注:Neil GaimanのいうMake Good Artはこのコミックがわかりやすいと思います。どんな失敗や挫折経験も結果に結びつけるのは自分の捉え方次第ということですね。]

勢いで訳し始めたんですが、ちょっと手間取りました、スイマセン。言葉を生業にされてる方でしたので読むのに慎重になり過ぎました。フォローや訂正など必要あればコメント下さい。

Bobby Owsinski's Big Picture Music Production Blog: 10 Tips For Better Lyric Writing
Bobby Owsinski's Big Picture Music Production Blog: 10 Tips For Better Lyric Writing

うは、またBobby氏案件でしたか。書き出しの部分がとても趣深いので、これも簡単に訳しておきます。

Top40を見て悩ましいのは、その大半の楽曲が歌詞に時間を割いてないと思われることだ。強引だったり不完全だったりで、後付けで作られたか、さもなくば脅迫の元に書かされたかと思ってしまう。歌ってると違和感ないのに読むとひどく苦痛。素晴らしい歌詞とは程遠いのだ。
少しでも時間や思いを注ぎ込めばBEPを面食らわすこともできるはずなんだが。

Bobby Owsinski’s Big Picture Music Production Blog: 10 Tips For Better Lyric Writing

「(かつて/今)こういうのが好き」というのを「そうしないのは無能」と語るのって、ロックだなあとは思うけど、僕自身あんまロックが得意じゃないからなあ。うわぁ…とか思っちゃう。
これを言うために引き合いに出されたロビン氏に同情を禁じ得ません…。

そういや以前、第47回:いつの間にロック少年は「洋楽」を聴かなくなったのか? | DrillSpin Column(ドリルスピン・コラム)に関してブコメに書いたら何人かふぁぼって下さったことがありました。

バーやってる友達が英語わからないからこそ洋楽をBGMとして楽しめるって言ってたな。今の日本語詞が定型文のパッチワークだとする世評が正しいとすればBGM機能すら邦楽で事足りるのかもしれない。余談。

http://b.hatena.ne.jp/makou/20121205#bookmark-122872930

「会いたい」だの「翼を広げる」だの何遍言うねんってツッコミを2,3年くらい前からよく見かけましたけども。あー、洋楽ロックの話題じゃないですね、すいません。

という記事を読みますと、共感時代も今は昔、ギミックや音壁など音ゲーベクトルのものがウケてる傾向あるようで。DIVAとかサンボルとかでイキのいい作家さんが取り上げられてる影響あるのかもしれませんね。

そう。そういう’傾向がある’。ドライにそれを捉えようが情緒的に捉えようが。
そうした傾向の中でロビン氏のtipsは、今どきだとちょっと違うかもねって気もするんですけど、行き詰まった感を覚えている人にはちょっとしたキツケになるかなあ。そう思いながら読み進めてました。…それだけにBobby氏のがどうも蛇足に見えちゃって残念ではあるんですよね。