Logic Pro : 歴代Logicをやんわり紐解く

以前一度、代々のLogicのアイコンってどうだったっけと気になってざっとググったことがあるのだけど、都合よくまとまっているサイトがありませんでした。
その延長といいますか…思い出を手繰るついでに、ネットで見つかったスクショを引用してみます。

1988NotatorC-LabAtari ST
1993Notator LogicEmagic 
 Logic 2 Mac/PC
1995?Logic 3 Mac
 Logic 3.5 Mac/PC?
1999?Logic 4 dongle -> XS key
2002Logic 5 
 Logic 5.5 ApplePC version
discontinued
2004Logic 6 / Logic Pro 6 Mac OSX
 Logic Pro 7 Express製品ラインはこの頃?
2007Logic Pro 8 Logic Studio line
(〜2011)
2009Logic Pro 9  
2013Logic Pro X  

MIDIシーケンサー期

Notator Logic (©goodsire on Photobucket) *Alpha channel removed and PNG-converted.
Notator Logic (©goodsire on Photobucket) *Alpha channel removed and PNG-converted.
Logic 1.5 (©Tweakheadz Lab) *Alpha channel removed and PNG-converted
Logic 1.5 (©Tweakheadz Lab)
*Alpha channel removed and PNG-converted
Emagic Logic 2.01 (©Danski on Logic Pro Expert)
Emagic Logic 2.01 (©Danski on Logic Pro Expert)
Logic 3.5(©Tweakheadz Lab)
Logic 3.5(©Tweakheadz Lab)
Logic Audio Platinum (PC) v4.0(©Treakheadz Lab)
Logic Audio Platinum (PC) v4.0(©Treakheadz Lab)
Logic Audio Platinum 5 (©Александр)
Logic Audio Platinum 5 (©Александр)

Logic 3.5のスクショのアプリケーションアイコン(ウィンドウの左上に見えるアイコン)は、僕が経験的に知る最古のもの。バージョン4から使い始めたと思い込んでいましたが、どうも3.5辺りで使い始めていたようです。

外部MIDI機器を扱うシーケンスソフトとしてのLogicであったけれども、インストールして起動しただけでは音が鳴らず。今はだいたいのDAWが初心者でも使える仕組みになっているのと比べるとハードルが高い。
じゃあどのように当時MIDI機器を鳴らしたのかというと、今でこそtweakのような存在であるEnvironment。頑張りゃ変態なサウンドも構築可能な機能で、インストール直後にそんなヤバいものに触れなければならなかった。

「ハードディスクレコーディング」という言葉が浸透した頃、実験(おそらく)を兼ねてLogicとLogic Audioにラインが一時分かれたものの、すぐまた一本に統合されAudioはLogicの標準機能となりました。
MIDIインターフェイスのみならずオーディオインターフェイスも必要になったのがこの頃。選択肢も乏しく、ハイ/ローエンドの二極、つまりミドルグレードの製品がありませんでした。うちではPro Toolsも動かしたかったためAudiowerk 8(その後、兄に譲った)やAudiomedia III(Pro Toolsと同メーカーの製品)を使っていたのですが、PowerMacを増強するG3カードの導入と引き換えに使用不可となり、それを期にPro Toolsともお別れしたのでした。

オーディオ機能搭載後

Logic Platinum 6(©Tweakheadz Lab)
Logic Platinum 6(©Tweakheadz Lab)
Logic Pro 7(©Tweakheadz Lab)
Logic Pro 7(©Tweakheadz Lab)
Logic Pro 8(©Tweakheadz Lab)
Logic Pro 8(©Tweakheadz Lab)

Audio機能搭載後のLogicはUI面の変化がほぼなく、エフェクトやEXS用ライブラリーの追加など、オプショナルな部分のアップデートが多かった印象。
これらのエフェクトのほとんどは今も大きく変化してません。世の趨勢としてアンプシミュやペダルボード、コンボリューションリバーブ(当初のSpace Designerは重すぎて曲中で1つ使うのが限界だった)を導入したくらい。近年解像度やデザインが変更になったりしましたけど。
この頃のLogic内での波形編集機能、特にTime Machine、Audio Energizerは独特で面白く、精度は現在のテクノロジーからすると高くはなかったものの、個性的なサウンドメイクを行いたい人にとって有効な武器であったように思います。Time Machineは今のFlexにアルゴリズムが若干残っています。

Silver / Gold / Platinum Reverbといったリバーブ名称は、当時Logic AudioのグレードがSilver, Gold, Platinumに分かれ、リバーブのクオリティを各グレードのポテンシャルに合わせて調整していたことに由来しています。
EVP 88(現Vintage Electric Piano)やEVB3(現Vintage B3 Organ)、EVD6(現Vintage Clav)が備わったのもこの頃とのこと。

ここまでのスクショのキャプションを見てもわかる通り、Logicという名前は一貫しているもののProだのPlatinumだのと商品ラインナップがちょくちょく変わっていて、それはLogicに限らずCubaseなんかもそうだったわけですが、今ひとつ記憶がうまく辿れない一因かも。

モダンDAW、Pro App後

Logic Pro 9(CC-BY-SA Apple Wiki)
Logic Pro 9(CC-BY-SA Apple Wiki)
Logic Pro X(©Apple)
Logic Pro X(©Apple)

Logic 6や7の頃の動作はちょくちょく不安定で、数値入力をしたりコピペするだけでクラッシュする時期もありました。仕事で使う人間にとっては地獄で、いまだにちょっとした操作を行うだけですぐ保存するクセが抜けません。

良くも悪くもこれまでのLogicは各ウィンドウが散り散りになりやすく、その影響で初期OS XのUIではアプリケーションの切り替えが行いづらかったのですが、Logic Pro 8で単ウィンドウに収められて以降、(一時期違和感があったものの)結局慣れました。他DAWがこれに追従していったのは面白い光景でした。

オーディオ機能を搭載してOSXに至って、少し利用者が増えてからのLogicの大きな課題の一つはレイテンシーとCPU使用率、インターポレーション(補間)。
AUXを使うとレイテンシーが発生し、また瞬時に値がジャンプしてほしい場面でもインターポレーションによるスムージングが発生し、いずれにしてもピリッとしたサウンドにするのが難しかった。
いずれも、この数年で劇的に改善しているとは思いますが、正直なとこ他DAWも同じ部分で苦戦している印象があり、今後においても抜本的な改善の待たれるところです。