Propellerhead “Europe”(VST, AU)

Propellerhead Reason 10で加わった Europe なるシンセがVSTiおよびAU対応音源として販売開始されたようで、デモ版を落として試してみます。
なお、 Reason 1-9までを所有するユーザーは$129でReason 10にアップデート可能であり、この場合VST, AU版音源はフリーで手に入ります。
VST, AU版のEuropeのみをお求めの場合は、6/30までの間$99で購入可能と(正規の価格は$149)。
新規でReason 10を購入する場合は、$449。

詳しくは本家のサイトをご覧ください。

Propellerhead Reason: 素晴らしい作品を作るために必要な全てを搭載した音楽作成ソフトウェア | Propellerhead

Propellerhead Reason: 素晴らしい作品を作るために必要な全てを搭載した音楽作成ソフトウェア | Propellerhead

さて、値段に見合ったクオリティなのか、はたまたいっそReasonをアップデートしちゃったほうがお得なのか。

先に結論書くと、サウンドクオリティおよび機構、UI、素晴らしいです。
もともとシンセの性能の高さには目を瞠るものがあるReason。
シンプルな構造にもかかわらず限りなく正直な音の鳴るSubtractor、ポテンシャルがあり過ぎてユーザーの音作り能力がめちゃめちゃ試されるThor、これら古くからあるシンセは金字塔と言ってよいでしょう。
シンセの能力を借りるためだけにかつてReWireを活用したものですが、MacのOSX移行期および64bit化の折にいったん突き放されました。しかしながらReWire2の登場を機に再びReasonに助けを求めた現実もあります。
ともかく、こうした技術力もさることながら、UIのデザイン能力…時折わかりにくいこともありますが、小さなスペースにわかりやすくまとめるセンスも尋常ではない。

上のスクショのようにEuropeの画面もまたあまりにコンパクトにまとまっているために、ぱっと見で大したこともできなそうに見えてしまうのですが、実は元音に対して加えられる加工のバリエーションは他の同類のソフトシンセに比べてずいぶん多い。
オシレーター用波形のバリエーションこそそんなに多くないのですが、ここにはユーザー音色が簡単に登録できる上、オシレーターに対していわゆるINDEXにあたるShape、WARP等にあたるModifierがなんと2つ、さらにSpectral Filterと、このSpectral Filterに対して個性を与えるHarmonics、トータルに対してかかるFilterという構造になっていて、これにReverb、Delay、Distortion、Compressor、Chorus/Flanger/Phaser、EQ(これらはドラッグで順序を変えられる)といったエフェクター群がついてます。どこまで出来るのか夢が膨らみます。
オシレーターはThor同様、3つまで重ねられます。ポリ数はMax 16。

同類のシンセと書いたけど、Logic純正のRetro SynthやNI Massive、Xfer Records SERUM、UVI Falcon、Tone2 Icarus、Dmitry Sches Thornといった辺りのいわゆるWavetable系だなと思ってて、ただEuropeはWavetableのようでありながら何だか違う。
一般にWavetable音源で面倒なのが、そのままだとべったりしたサウンドになってしまうためどうにかして動きを与えるってことなのだけど、Europeの場合、オシレーター用波形のNoise数種類やModifierのShapingのGlitch 1/2、Detuning数種類のように放っといても動きが与えられる有り難い仕組みが備わってます。上手い。
たしかにINDEXだのWARPだのってより、WaveとModifierといってくれたほうが誤解がなくていいです。
それから、単純にWaveでBasic Analogの鋸歯波にしといて、ModifierでDetuningを使うのを3オシレーター分作って、さらにUnison機能で8音ユニゾンにして、16ポリで鳴らすという贅沢なこともできます。
やってみると、思ったよりはゴージャス感出ないのが少々残念ですが、サウンドメイキング中の動作の重さにも関わらず、いざMIDIキーボード叩いたりDAWを再生したときには異常に軽快に音が鳴って驚きます。初めてAbleton Liveに触れたときの驚きに近いもんがあります。
あくまで個人的なチェック項目なんですが、ソフトシンセの動作の重さを見るのにとりあえず多重和音を鳴らしてみたり、こうしたSuperSawライクな音を鳴らしてみたり、異常に長いリバーブをかけてみるってことを必ずやるのですよ。そうすると、上にも名前を挙げたThornなんかはSuperSawを鳴らそうってだけでブチブチ音が切れてました。それとはだいぶ違う。
むろんソフトシンセにはそれぞれに得意分野があるんで特定の動作における負荷だけ論って悪いと言えないわけですが、たとえば何らかの新鮮味を求めていつもと違うシンセで似たような音を出してみようとしたら負荷が原因で適わない、みたいなときって結構ガックリくるんですよね。芸能人になった友達に会うのにカメラ新調したら写真を断られたみたいな、違うか、違うな。
といったわけで、逆にこれまでのものより恐ろしく軽快に音が鳴ることに、おのずとこの表情🤔になってしまいました。

気になるとすれば、音作り中の重さは結構なレベルで気になります。
それから、案外アグレッシブな音が出ずシルキーな音になりがち。
ReasonならではのCVコントロールを活かすならVSTやAUってよりやっぱReasonで、もしくはスタンドアローンで使えるほうがいいかなとも思います。
Envelopesの書き方がよくわからんってのもありますな。
期待に適ったサウンドなだけに、どうも減点法になっちゃったな…。

いずれにせよ、時間制限つきのデモ版がダウンロードできるので実際にお試しいただくのがいいと思います。
素晴らしいけど、うちでは今回導入を見送ります。
ただ、もしかしたらReason自体をアップデートするかもしれません。それなら6月末までに慌てて購入する必要もなくなりますからね。

操作性 ★★★★☆
レスポンス ★★★★☆
音質 ★★★★☆

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